2009年7月30日木曜日

旧ブログ記事:「ググるの得意ですからっ!」(2009年7月30日掲載)

ある企業の30代ベテラン営業さんから聞いた話。

配属されてきた新入社員にある製品(だかサービスだか)の調査を指示した。

「○○の導入事例を調べてみて。」
「はい、わかりましたっ!任せておいてくださいっ!ボク、ググるの得意ですから。」

ちょっと怪しいなあ・・・と思いつつ、しばらく様子を見ると手になにやら紙を持ってやってきた。

「はい、調べましたっ!」  ”どさっ”と机に置かれたそれは、大量のプリント用紙。
「なに、これ?」
「はい、ググったら、これだけ出てきたので、全部印刷してみましたっ!」
「あのさ、調べるっていうのは、検索して印刷することじゃなくて、自分で情報を整理することをいうんだよ。まとめてきてよ。」
「え、まとめることを調べるっていうんですか。じゃあ、やってみます。」

「あ、その前に、もうひとつついでにやってほしいんだけど。導入事例だけじゃなくて、導入のメリットもあるはずだからそれも調べておいてね。」
「はい、わかりましたっ!」

しばらくすると、とぼとぼと新人クンが戻ってくる。

「導入のメリットはどこにも載ってませんでした・・・。」
「え?そんなはずは・・・。さっき印刷した紙、見せてみ。」

・・・・・・「ほら、ここ、とか、ここに、メリット、書いてあるじゃん(と赤ペンで線を引いてみせる)。」

「あ、そこにあるんですか。見出しにないから、メリットは書いてないと思いました。」
「あのね、文章を読んでいけば、”これがメリットだな””ここもメリットだな”ってわかるっしょ。調べるというのは、そーゆうことをいうのっ!!!わかった?」
「はい、わかりました。これからは、ちゃんと読んでみます。」

【ポイント】

1.調べる=ググるだと思っていた
2.調べる=読み込んで考え、そこから自分なりに整理することとは思っていなかった

なお、この新人クン、この後1ヶ月くらい同じようなやり取りを繰り返したものの、素直であったことが幸いして、最後には、先輩が意図する「調べる」ができるようになったそうである。

恐るべし!新人クン。
頑張れ! 新人クン。

そして、頑張れ! 先輩。Be patient!

2009年7月27日月曜日

旧ブログ記事:「フライパンを買いに行っていいですか?」(2009年7月27日掲載)

ある人から聞いた話。

新入社員が「新人研修」期間中に、「明日、休んでいいですか?」と聞いたそうだ。「どうして?急用?」と尋ねれば、「フライパンを買いに行かないといけないので」と答えたと言う。

先輩は、「フライパンは、今日明日なくたって、週末まで、なんとかご飯くらい食べられるよね。研修を休んでまで行くことじゃないでしょ」と説き聞かせて、「休み」は却下したそうだ。

別の例。同じく新入社員が「明日、休んでいいですか?」と聞いた。やはり、研修期間中。「なんで?」と尋ねると、「免許の更新があるので」と言う。

人事の方は、「免許の更新は1ヶ月も期間があって、土曜日もやっているよね。明日行かないといけない理由があるの?」と尋ねる。「明日、と言うわけじゃないんですけど、行かなきゃ、と思ったので」と答える。

「週末にしなさい」と一喝して、休暇は、却下。

こういう例は枚挙にいとまがない。

で、どう感じるかは、人それぞれだろう。
     

非常識?????  自分でよく考えろ?????

では、以下の例。

新入社員の合宿研修。宿泊先では、全員で大浴場を使う。人事の方が、夜、お風呂を点検に行くと、風呂桶などが散乱。大地震の後のように。

翌日の朝礼で、全員に伝える。

「お風呂は公共の場です。皆で気持ちよく使うもの。だから、椅子も桶もきちんと整理整頓しなさい」と。その晩からお風呂はきれいになったそうだ。

この人事の方は、呆れて私に話してくださったのではない。

「家庭でしつけられて来ないのかなあ、とちょっと驚くが、でも彼らは単に知らないだけ。教わってきていないだけ。だから教えればきちんとできるんです」と。

フライパンを買いに行こうとする新人。免許の書き換えをしようとする新人。

40代50代の人から見れば、「新入社員研修中は、たとえ多少の熱があったとしても這ってでも出て来い!それをフライパンとは何事だ!?」と思う出来事かも知れない。

新入社員は、たしかに、いつも「非常識」だ。(私もかつて相当非常識だったと思う。記憶にないだけで)

オトナの世界の常識を知らないのだから、「非常識」に決まっている。

学生時代は、授業を休みフライパンを買いに行っても誰からも怒られないし、自分もさして困らなかったのだろう。免許の書き換えだってそうだ。

「会社のオキテはこうなのよ」「皆で仕事する、ってことは、こういうことなのよ」ときちんとひとつずつ教えてやればいいんじゃないかと思う。案外、彼らは素直で、吸収もする。

もうひとつ、思い出したいこと。

「誰もが、かつては、新人だったこと。きっと自分も”非常識”だったこと。そして、周囲が我慢づよく指導してくれたこと。」

人は、決して、一人では成長しない。周囲との関係の中で成長していくのだ。

「オレは誰からも育ててもらっていない」と思う人もきっと大勢から有形無形の支援を受けている。