2009年7月27日月曜日

旧ブログ記事:「フライパンを買いに行っていいですか?」(2009年7月27日掲載)

ある人から聞いた話。

新入社員が「新人研修」期間中に、「明日、休んでいいですか?」と聞いたそうだ。「どうして?急用?」と尋ねれば、「フライパンを買いに行かないといけないので」と答えたと言う。

先輩は、「フライパンは、今日明日なくたって、週末まで、なんとかご飯くらい食べられるよね。研修を休んでまで行くことじゃないでしょ」と説き聞かせて、「休み」は却下したそうだ。

別の例。同じく新入社員が「明日、休んでいいですか?」と聞いた。やはり、研修期間中。「なんで?」と尋ねると、「免許の更新があるので」と言う。

人事の方は、「免許の更新は1ヶ月も期間があって、土曜日もやっているよね。明日行かないといけない理由があるの?」と尋ねる。「明日、と言うわけじゃないんですけど、行かなきゃ、と思ったので」と答える。

「週末にしなさい」と一喝して、休暇は、却下。

こういう例は枚挙にいとまがない。

で、どう感じるかは、人それぞれだろう。
     

非常識?????  自分でよく考えろ?????

では、以下の例。

新入社員の合宿研修。宿泊先では、全員で大浴場を使う。人事の方が、夜、お風呂を点検に行くと、風呂桶などが散乱。大地震の後のように。

翌日の朝礼で、全員に伝える。

「お風呂は公共の場です。皆で気持ちよく使うもの。だから、椅子も桶もきちんと整理整頓しなさい」と。その晩からお風呂はきれいになったそうだ。

この人事の方は、呆れて私に話してくださったのではない。

「家庭でしつけられて来ないのかなあ、とちょっと驚くが、でも彼らは単に知らないだけ。教わってきていないだけ。だから教えればきちんとできるんです」と。

フライパンを買いに行こうとする新人。免許の書き換えをしようとする新人。

40代50代の人から見れば、「新入社員研修中は、たとえ多少の熱があったとしても這ってでも出て来い!それをフライパンとは何事だ!?」と思う出来事かも知れない。

新入社員は、たしかに、いつも「非常識」だ。(私もかつて相当非常識だったと思う。記憶にないだけで)

オトナの世界の常識を知らないのだから、「非常識」に決まっている。

学生時代は、授業を休みフライパンを買いに行っても誰からも怒られないし、自分もさして困らなかったのだろう。免許の書き換えだってそうだ。

「会社のオキテはこうなのよ」「皆で仕事する、ってことは、こういうことなのよ」ときちんとひとつずつ教えてやればいいんじゃないかと思う。案外、彼らは素直で、吸収もする。

もうひとつ、思い出したいこと。

「誰もが、かつては、新人だったこと。きっと自分も”非常識”だったこと。そして、周囲が我慢づよく指導してくれたこと。」

人は、決して、一人では成長しない。周囲との関係の中で成長していくのだ。

「オレは誰からも育ててもらっていない」と思う人もきっと大勢から有形無形の支援を受けている。

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