ソーシャル・サポート・ネットワークという言葉があります。色々な人間関係から得ている支援の網ですね。
4つあるそうです。
●道具的支援
●情緒的支援
●情報的支援
●評価的支援
ひとつずつ簡単に解説します。
●道具的支援:道具として助けてくれる。
たとえば、私は、「IT要介護認定⑤」ですが(笑)、PCを買ってもセットアップできません。そうすると、友人が自宅に駆けつけて、いろんな設定をしてくれるのですね。この場合、このトモは、「道具的支援」をしてくれる存在ということになります。
●情緒的支援:感情・情緒面で助けてくれえる。
何かツライことがあったとします。そんな時、ただ近くに寄り添って、話を聴いてくれる。あるいは、楽しいことがあった時、その楽しい話を共に聞き、喜んでくれる。そんな人がいたならば、情緒的支援を十分得られているわけです。
●情報的支援:情報を授けてくれる。
私が興味を持っている分野について、「こういう新刊本が出ているよ」「こんなニュースがあったよ」と教えてくれたりする。こういう人は、情報による支援を私にしてくれています。
●評価的支援:自分を評価・承認してくれる。
「頑張ってるねー」「さすが」などと褒めてくれたり、認めてくれたりする人がいたならば、その相手が評価的支援をしてくれている人です。
・・・そんなわけで、周囲の誰彼を頭の中に想い出し、「ああ、彼は、私に道具的支援と評価的支援をしてくれているなあ」とか「彼女は、情緒的支援をしてくれる相手だ」などと分類することができます。
案外、色々な人に多くの支援を得ているわけ、ですね。
一方、自分が誰にどんな支援をしているか、も考えてみる必要があります。
私は誰の「道具的支援」になっているだろうか? などと。
Give and Take、というくらいですから、「人に支援を受けたい」と思うだけではダメで、「他者に支援する」という態度と行動も必要なはず。
ところで、以前読んだ内田樹さんの本で、こんな一節がありました。
「あなたなしでは生きていけない、という相手をたくさん持っているほど、実は、サバイバル能力が高い」(本が手元にないので、ニュアンスで再現してます)
「ふつう、誰にも頼らずに生きていける、というほど、強いことはないように思っているけれど、実は逆なんだ。彼がいないと生きていけない、彼女に助けられて生きている、と思える相手がたくさんいるほど、生き延びることができる」
そんなことが書いてありました。
まさに、「ソーシャルサポートネットワーク」のことではないか、と思ったのでした。
「あなたなしでは生きていけない」と思う相手がいることは、決して甘えているわけでも、自立していないわけでもなく、生き延びる戦略として、正しいってことですね。
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