2011年3月24日木曜日

社内講師の心得(1)

いよいよ来週から4月です。以前もこのブログで書きましたが、今年のカレンダーはなんとも厄介で、4/1が金曜日なのですね。

たぶん、多くの企業で4/1(金)に入社式を行い、土日の休日をはさみ、新入社員研修が本格的にスタートするのは、4/4(月)ではないかと思います。

当社は、様々な企業で働く方たちの学びを支援しているのですが、一方で、多くの企業で、私たちと同じような「講師」をしている方たちの「講師スキル」を高めるための研修も実施しています。

その中でこの1月~3月に期間限定で開催したのが、「社内講師養成速習コース」でした。(1日コース:すでに最終回が終了)

勤務先で迎える2011年度新卒新入社員向けに新入社員研修を担当する、いわゆる「社内講師」の方が集まりました。専業よりは、単発で1-2コース担当する方、あるいは、ある30分くらいの小さなコマを担当する方がほとんどでした。

研修の中で、「社内講師として新入社員研修を担当するにあたり、何が不安、疑問ですか?」と問い掛けると、たとえば、以下のような課題が挙がりました。

●新入社員には大きなレベル差がある場合が多い。そのレベル差はどうやって吸収すればよいのか?
●自分にも答えられないようなことを質問されたらどうしたらいいのだろう?
●新入社員とはどのような接し方をすればよいのだろう?たとえば、講義中と休憩時間では言葉遣いを変えたほうがよいのか?
●新入社員に「宿題」を出してもよいものだろうか?自宅でやってきなさい、というようなことはOKなのか?
●2-3人を相手に話すのはまだいいのだが、20人30人と大勢が一クラスにいたら、上がってしまって、声が小さくなる。どうすれば堂々と話せるだろう?

・・・ほかにも沢山ありましたが、「ああ、なるほど」と思う内容ばかりです。

上記の中で、今日は、1つだけ取り上げます。

●新入社員との接し方

です。

ご質問の主旨はこういう内容でした。

「講義中と休憩時間や講義後の夕方まで、”ですます”で話すと、新入社員の緊張がほぐれず、ずっと硬い雰囲気のままになってしまうのではないか。After5や昼休みなどは、少しラフな言葉遣いをしてもよいかも、と思うこともある」

こういうことについては、まず各社各様にルールやスタンス(姿勢)があると思うので、そのルールやスタンスを決めて、社内講師を担当する方が全員そのルールやスタンスに則って行動すればよいことではあります。

ただ、私は、

●講義中であろうと休み時間であろうと、基本的には「ですます」でよいのではないか?
●多少言葉が崩れたとしても、タメ口をきくほどラフにならなくてもよいのではないか?

と思っています。

なぜならば。

講師というのは、たとえば、Java(プロミング言語の一つ)を教える講師であっても、Javaという技術を伝えるだけの役目を負っているのではなく、「社会人の先輩」として背中を見せている側面もあるからです。

社内講師の場合は、「講師」でもあるけれど、「職場の先輩」でもある。

その「職場の先輩」が仕事中にどのような言葉遣い、立ち居振る舞いをしているか、大げさに言えば、その一挙手一投足を新入社員は見ているわけですね。

なので、

●講義中は、「ホワイトボードをご覧ください。ここに書いたように・・。これは、・・・という理由からです」と丁寧に話しつつ、

一方で、

●休み時間になると、「何言ってんだよぉ?それ、ダメじゃん」などとラフな言葉を使う

・・・のはあまりよろしくないと考えるわけです。

もちろん、「ラフ」にも程度があって、

●休み時間に、「田中さーん、今日、新宿駅でこんなものを配ってたんですよ」と新入社員に話しかけられ、「へぇ、これ、面白いですね」とか「ふーん、私はもらえなかった、ザンネン」という程度の軽い口調ならいいとは思いますが。

こういう細かい疑問は、社内講師として立つ方に数多くあると思うのですが、一つ一つにノウハウがある、というより(もちろん、ありますが)、まずは、

「何のための新入社員研修なのか?」という根本の「目的」を考えてみてはどうかな?と思っています。

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