世間的には、「カンニング」事件が喧(かまびす)しいわけですが、そんなこたあ、どーでもよろし。
体罰よりも、マスコミに叩かれるほうが何千倍も痛いぞ、と思うし、本当に社会に「寛容さ」がなくなってきたなーと思ったりもし。(社会というより、マスコミなんだけれども)
あ、でも、ホントに、そんなこたあ、どーでもよろし。
今日は、「ハートウォーミング」なお話を。朝イチメールが続いていたならば、絶対に書いていたであろうエピソード。
先日、同僚(40代男性)が夜の小田急線に乗ったそうです。
疲れていたのでロマンスカーを、と思ったものの満席続き。だったら、急行を何本か待ち、座って帰ろうと。25分も列の先頭で待ちわび、やってきた急行に座って、一安心。彼は新宿から藤沢まで1時間超も乗る「ヘビーユーザ」です。
さあ、あとは新聞でも読んで、居眠りして・・・と頭の中で段取りを組んでいたら、目の前に立つ女性が。なんとはなしに見上げると、気のせいかお腹の辺りが膨らんでいるような。
『ああ、ただの太った人でありますように』と祈りつつ、バッグを見ると、ピンクのマタニティマークを発見。
現在、同僚に妊婦がいる彼は、ことのほか関心も高く、『これ、席を替わらないとまずいよなあ』と思ったものの、『25分並んで、ようやく座って、この車両のたった一人立っている人が妊婦さんで、そのたった一人がボクの前に立っているなんて・・・』と思ったりもしたそうです。(このあたりの心境、とてもよくわかります)
しかし、やはり!と顔をきりっと上げ、妊婦さんに向かって、「席、替わりますよ」と声をかけました。
すると、この妊婦さん、すぐ「ありがとう」と座ることもなく、「失礼ですけど、どちらまでいらっしゃる予定ですか?」と尋ねたんだそう。
「ボク、藤沢までですが」
「あ、私も藤沢までですが、終点まででは申し訳ないので、ホント、結構です、大丈夫ですから」と固辞されたとか。
きっと、彼女は、「成城学園前まで」とでも言われたら、替わってもらうのもいいかな、と思ったのでしょう。
同僚は、引っ込みもつかず、いや、もちろん、妊婦さんのことも思いやった上で、「いえ、そんなこと言わずにどうぞ」と席を替わったそうです。
そこから1時間以上。藤沢まで残り数駅、というところで、彼女の隣が空いたので、「どうぞ、座ってください」と同僚に勧めてくれました。
「いや、もうすぐなんで、いいです」と断ると、「それでは私の気がすみません!」と泣きそうな様子で懇願。
「じゃ、座ります」同僚は、妊婦さんと並んで座ることに。で、会話をしていると、
「久々に用事があって電車に乗った。藤沢に行く電車かどうかも不安だった」なんてことから始まり、
「今日、友人と会い、お菓子を2箱もらいました。この1箱をお礼に受け取ってもらえませんか?」
と差し出したそうです。
「いいですよ、気持ちだけで」とまたもや固辞した同僚。
妊婦の彼女は、「お願いですから、受け取ってください。気持ちですから」とあまりに強く訴えるので、同僚も「それなら」と頂戴したんだそうです。
「席を譲っただけでお菓子を1箱頂いたのは、生まれて初めて」と翌日オフィスで話してくれました。
この話をじっと聴いていた、現在妊娠中の私たちの同僚が、
「●●さん、とてもいいことをなさいましたねー。」とやたらと感心。「妊婦としては、本当に助かるんです。電車、怖いんです」と。
私は私で、その逢ったこともない妊婦さんのことをとても素敵だなぁと。
自分の身体のことだけで精一杯な時でしょうに、「どちらまで乗るのですか?」と確認したり、「ほんの気持ちです、もらいものですが、せめてこのお菓子を」と差し出したり、とても心豊かな女性だなあ、と感動しました。
夜の小田急線車内でのほんの小さな出来事。たった70分くらいの物語。
たまには、こんなお話もいいのではないかしらん?
というわけで、TGIF! よい週末を~♪
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