今日のキーフレーズは、
「新入社員(受講者)の言いたいことを先読みしすぎない」
「新入社員(受講者)の発言の行間を埋めない」
です。
たとえば、こんな会話があります。
講師:「学生と社会人との違いにはどのような点があると思いますか?」
新入社員:「時間の使い方が異なります」
講師:「そうですね、時間の使い方が違いますよね。学生の時は、ある程度自由に時間が使えたでしょうが、社会人になると、拘束時間も長くなりますし、自由に使える時間は限られてきますよね」
新入社員:「・・・」
これ、どう思いますか?
「時間の使い方が異なります」と新入社員が回答したら、それを受けて、講師が自分の考え、用意しておいた答えで補足しつつ、話を進めています。
この間、新入社員は、講師の話を拝聴せざるを得なくなります。
こういう時、講師は行間を勝手に埋めてはいけないのです。
先の会話であれば、こんな風にするのが理想的。
講師:「学生と社会人との違いにはどのような点があると思いますか?」
新入社員:「時間の使い方が異なります」
講師:「なるほど。時間の使い方が異なると思うのですね。たとえば、何の時間の使い方が、どのように異なると思いますか?具体的に例を挙げてください」
新入社員:「ええと、たとえば、朝必ず9時に出社しないといけない。学生だったら1限目は自主休講ができましたけど」
講師:「約束の時間を守る、といった点が異なると思うのですね。他には?」
新入社員:「それから、自分で自由に使える時間が少なくなるように思います。自由に使えない時間に何をどれだけこなすかというのも大切になるかも知れません。」
講師:「自由に使えない時間とは、どういう時間を指していますか?」
・・・
行間を読まない。相手が発言していないことを講師の言葉で補わない。
とても大切なことです。
学習者には、「自分で考えて、自分の言葉で表現させること」が重要。
そういう力を身につけるための支援をするのが講師の役目なのです。
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