2011年3月29日火曜日

社内講師の心得(3) 講師は完璧であるべきか?

社内講師向けシリーズの3回目。

今日は、「自分も知らないこと、わからないことを質問されたらどうしよう?」という疑問にお答えします。

これは、社内講師だけではなく、配属先の職場の先輩、OJTトレーナーも共通で抱える悩みというか、疑問、不安だと思います。

答えを先にお伝えすると、

「わからないことを質問されたら、調べて答えればよい」
「調べてもわからないことがあったら、”ごめんなさい。これとあれを調べていみたのだけれど、わかりませんでした”と言えばよい」
「もし、誰かが知っている、何かを見ればわかるはず、と予測が立つなら、それを紹介するだけでもよい」

です。

新入社員は、案外ソボクな疑問を何も臆することなくぶつけてくる。

もちろん、先輩も講師も、新入社員よりはうんと経験があるので、たいていの質問・疑問には答えられる。だけれど、中には、「いやあぁ、それは考えてみたこともなかった」「なるほど。そういう疑問も湧くのかあ・・・」と驚くようなものがある。

先輩だからといって、講師だからといって何もかも完璧に知っているわけでも、あらゆることを体験しているわけでもない。調べてみたけれど、やはり、わからない。

当たり前すぎて、そこまで詳しく書いてある資料が見つからないこともある。
自分以外の誰がそれに詳しいかもわからないケースもある。

そうしたら、もう正直に言うしかないわけです。

「ごめんなさい。調べてみたけれど、わかりませんでした」と。

ただ、その時、「何を調べてみた」「どういう調べ方をしたか」を伝えるのは重要です。

「そうか、そういう調べ方をすればよいのか」という情報だけでも、受講者には役立つからです。

一番いけないのは、誤魔化すことです。

「ああ、そんなこと、疑問に思う必要ないから」「それ、知らなくても、できるから」と「探究心や向上心」を削ぐような表現もダメですし、「これは、こうだと思います」と適当に回答するのもよくない。

わからないならわからないと言っていい。もちろん、誠意を示して、ですけれど。

新入社員は、こういう時の講師(つまり先輩)の「振る舞い」もよく見ています。

どのような質問にも回答できるに越したことはありませんが、完璧な人はいませんから、わからないことだって多々あります。

新入社員にとって社内講師は、職場の先輩でもあります。

「質問に答える」ことよりも「あらゆる場面での”あるべき”振る舞い方を身をもって示す」ことのほうが、重要な気がします。

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