PMシンポジウム2010の報告もこれが最後です。
私の講演では、必ず、最後に「今日の話を聴いて、隣の方と話して、印象の残ったキーワードやキーフレーズは何ですか?」と問いかけることにしています。
配布資料にも「印象に残った言葉」を書いていただき、その理由を隣同士で話す時間も設けます。
こうすることで、学びが深化・浸透すると思うからです。
講演って、黙って聴いているのは苦痛です。真剣に聴けば聴くほど、苦痛になるものだと私は思います。真剣に聴けば、頭の中で思考がぐるぐると巡ります。すると、その考えたことは誰かに表明(言語化して外に取り出す)しないと、すっきりできないからです。
田中が伝えたことに賛成なら、「賛成。私も以前、かくかくしかじかの体験をしたことがある」と表明したいし、反対なら、「いや、反対。私は、こういう理由で逆の立場を取っている」と言いたい。
すっきりするだけではなく、そうやって口に出して語ることで、「自分の考えがより明確」になり、腹落ち感も増す、というものです。
大体、人間忙しいので、講演から会社や自宅に戻り、そこからさらに反芻する余裕がない場合が多いと思います。誰かを聴き手に据えて、「今日、こういう講演を聴いたんだけど、あたしゃ、こう思う」と、自分の内省につき合ってもらうのは、相手の時間まで取ってしまうことになるので、なかなかそういう機会を設けることができないものです。
セミナーや講演の中で一旦、口に出してしまえば、その段階で、気づきや学びを整理できる。だから、講演では、必ず「しゃべっていただく」時間を設けています。
さて、前置きが長くなりました。
9/10(金)田中のセッション「仕事を通じて人を育てる!」において、皆さんがメモに書きとめた「印象に残ったキーフレーズ」は、会場内をぐるぐる歩きまわり、覗き込んだところ、こんなものが多くを占めていました。
●餌付け!(お菓子を介してコミュニケーションすることです)
●アナログ回帰!(なんでもメールなど電子コミュニケーションに頼らず、直接会話する、メールではなく、口頭で相談する、ワープロじゃなくて手書きで何かを書くなど)
●仕事以外の会話(仕事以外の会話が関係構築に役立ち、そこから仕事の話もしやすくなる)
・・・・・・
お伝えした内容の何かから選ばれてはいるのですが、上記の3つが特に多かったことが私には「へぇ」でした。(これらのキーワードは、前半で話したこと、中盤で話したこと、最後に話したこと。あちこちから選ばれてもいました。)
後輩を育てる、後進を指導する、という時、難しい理論とかテクニックを使うものいいでしょうが、案外、基本的なことが手がけやすいし、効果も出やすいものだ、というのは、私が多くの企業のOJT支援をしながら得た実感でもあります。
講演では、メールアドレスを全参加者の方に公開していますので、お一人からでも、「こんな成果がありましたよ!」という報告メールが届くのを楽しみにしています。(実際は、そうそう講演者にメールを下さることはないのですが・・・。遠慮なく、メールくださいませ♪)
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