もう何年も前。新緑の頃。
公開講座の参加者は、10年~20年の社会人歴を持つ6-7人の女性と、 たった一人の新入社員(男性)でした。 ベテラン女性に囲まれた、まだ入社1ヶ月という初々しい男性。
彼、普段の会話だけでなく、プレゼンテーション中も 「ボク」と自称するので、 フィードバックの際、他の方から「プレゼンの時だけでも”わたし”とおっしゃるほうが、きちんとした印象を与えますよ」
と指摘されました。
すると、
「見逃してください」
と切なそうにおっしゃいます。なにやら事情がありそうです。
「ボクは、最近、やっと”ボク”になりました。入社した直後は”オレ”だったんですけど、上司に”わたし”と言うように指導され・・・。 でも、22年も”オレ”だったのに、急に”わたし”とは言えず・・。今は、まだ”ボク”で勘弁してもらっているんです。
”ボク”に慣れたら、その内、”わたし”に挑戦するんで、今日は見逃してもらえませんか?」
フム、なるほど。 「オレ→ぼく→わたし」。
緩やかな、「オトナ」への道。
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