2009年4月17日金曜日

旧ブログ記事:「またかかってくるわよ」(2009年4月17日掲載)

新人だった頃の思い出。

ある日のこと。グループの代表番号にかかってきた外線電話を取りつごうと「転送」ボタンを押した瞬間に、誤って切ってしまうという出来事がありました。

まだ初々しかった(そういう時代もあったのです)私は

「とんでもないことをしてしまった。社外の方から電話を切ってしっまった。どうしよう?」

とパニックになり、そばに座っていた先輩に

「電話を切ってしまったのですが、こういう時はどう対処したらいいのでしょう?」

と泣きつきました。


先輩は、のんびりした声で、

「あら、大丈夫よぉ~。用があるならまたかかってくるわよぉ~」

と書類に目をやったまま言いました。


へ?と力の抜けたものの、再度かかる可能性のある電話器を凝視。

果たして1分もしないうちに外線が鳴り、ドキドキ。


「私が取らないほうがいいんじゃないでしょうか?」


「田中さんが取りなさい。そして、真っ先に”先ほどは失礼しました”とお詫びすればいいんだから。」

びしっと言われ、意を決して受話器をとりました。


お詫びすると、先方は「ああ、いいんですよ。よくありますよぉ」とおっしゃいました。無事転送し、自分の受話器を置いて、ほっ。


「ああ、失敗してもいいんだ。ちゃんとお詫びして、次にうまくやればいいんだ。」


そう思えたら、少し自信が持てました。


「大丈夫、またかかってくるわよぉ~」というのどかな言い方で緊張がほぐれ、「あなたが対処しなさい」とびしっと言われたことで、自分の責任でこなすのだ、と自覚が生まれました。

この先輩は、既に退職されていますが、あの時のオフィスの光景、ドキドキした気持ちなど、昨日のことのように思い出します。

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