2009年4月27日月曜日

旧ブログ記事:これは何ですか?(2009年4月27日掲載)

“Is this a pen?”

“No, it isn’t.” 

“Is this a pencil?”

“Yes, it is.” 


という、英語の教科書の最初の方に出てくる会話に「ペンか鉛筆かなんて、見りゃわかるじゃないか」と突っ込んだ方は、大勢いらっしゃることと思う。

自然な会話じゃない、生きた英語じゃない、と。

ところが、この “Is this a pen?”みたいな会話をつい最近経験してしまった。


スーパーで買い物の折。まずは、果物コーナー。

目玉商品として、甘夏が単品で98円。カートにひとつ入れる。

他の食料品も入れて、レジへ。

レジ担当は、20歳くらいの女性で、「研修中」という名札をつけていた。


甘夏を手に取り、「これは、甘夏ですか?」と訊く。

こういう時、ちょっと動揺する。

『甘夏だと思うけど、ちゃんと表示を見なかったので、他のかんきつ類だったかも知れない。甘夏か?と言われると自信ない。』と。

小さな声で「ええ、たぶん、甘夏だと思うんですけど。」と答えると、

「これは、デコポンですか?」とさらに質問が。

『いや、デコポンってのは、おへそみたいなのがあるから、これは、デコポンじゃないよな。』と心の中で思いつつ、

「いいえ、デコポンではないです。」と言うと、

今度は「では、グレープフルーツですか?」と真顔で尋ねるのだった。


いよいよ、遠ざかってきた。『どう見たってこれがグレープフルーツのわけないだろー』と確信し、「絶対にグレープフレーツじゃありません。」と自信を持って答える。


すると、このレジの女性、あっさりと、

「では、これは、甘夏ですね。98円です。」 と宣言し、レジ終了。


スーパーを出る際、再度果物コーナーを見てみると、この会話の原因がわかった。

この日、単品売りしていたかんきつ類は、全部で3種類。甘夏、デコポン、グレープフルーツだった。彼女は、POSレジの単品ボタンを探していたのだ。


こういうの、コミュニケーション・スキル的に言うと、

「今日、単品売りのかんきつ類が3種類あります。甘夏、デコポン、グレープフルーツ。この内のどれかわかりますか?」

と解答範囲を決めてくれたら、もっと会話はスムースに進んだわけだ。

それにしても、デコポン、グレープフルーツとどんどん遠のいてくれてよかった。

もっと似たようなかんきつ類の名前を示されたら、たぶん、答えに迷っただろう。


そして、 “Is this a pen?” という会話は、実際に起こりうるのだ、ということを中学時代から30年以上を経て、改めて知った。


あれは、生きた英語だった・・・のだ。


=========================


「うちは当分、新入社員が配属にならないんですよ」というメールを頂戴しました。


そこで、本日は趣向を変えて、身近な話題を。

0 件のコメント:

コメントを投稿