新入社員の指導にあたるOJT担当者とその上司が集まっているワークショップ研修でのひとこま。
アイスブレークを兼ねて、「これまでOJTを進めてきて、よかったこと、うまく行っていることを紹介しあう」時間を取りました。
グループごとに座っていただいていたので、各グループを巡り歩いていると、 ある課長がぽそっとこうつぶやいています。
「今のところ順調に成長していますが、人に話すような成功事例というほどでもないなあ・・・。あ、そうそう、成功事例ではないけど、ひとつだけ嬉しかったことがあるなあ。」
「新人に”この本、面白かったから読んでみたら”と渡したら、しばらくして、”面白かったので、自分でも買いました”と報告に来て。あれは、嬉しかったなあー。」
「どんな本だろう」と思い、尋ねてみました。
「差し支えなければ、なんという本か教えていただいてもよろしいですか?」
「ちょっと恥ずかしいんでけど、『夢をかなえるゾウ』って本です。」
・・・・
この上司の気持ち、わかるなあ。
世代の異なる部下や後輩に、自分の考えや思い、感性は通じるものだろうか、と思う。
新入社員を始めとして、若手社員は上司との年齢ギャップに悩み、苦労するのだけれど、実は、上司も部下や後輩とのギャップを気にしている。
お互い、探り探り、いろいろ試して、 相手との物理的距離や精神的距離を縮めている。
40代の上司にしてみたら、「オレはこれを読んで面白いと思ったけど、読んでみない?」と本を渡してはみたものの、新人は、それこそ上司に言われたので「はい」と一旦は受け取るだろうけれど、実は読まない、読んだとしても意味がわからないのでは?などと内心どきどきしてしまう。
数日経っての「面白かったので、自分でも買いました!」という言葉。どれほど嬉しい報告だっただろう。
わかる、わかる。その気持ち。
「それは、ステキな話ですね」とその場の空いている椅子に座り込み、一緒にしみじみしてしまいました。
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ファシリテーションのツールとしても流行りつつある 「マスキング・テープ」を使って、”しおり”を作ってみました。
<材料:マスキングテープ、リボン、紙袋の底に敷いてあった厚紙。右端の細長いものは、コーヒーショップでもらった細長い木製かき回し棒です。>
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