2010年8月3日火曜日

旧ブログ記事:「泣かれたらどうする?」(2010年8月3日掲載)

OJT担当者向けのワークショップで三都物語中です。(三都:東京・名古屋・大阪)

このワークショップでは、色々な悩みや課題やちょっとした質問・疑問を耳にすることも多いのですが、昨日は「泣かれちゃったことがある」という話題が出ました。

新入社員に限らず若手を指導していると、時に相手が泣き出してしまうことがあります。女性の専売特許だと思うかも知れませんが、そんなことはなく、男性でもつつーっと涙を流すことはもちろんあります。

そういう時、どう対処すべきか。

それぞれの方に考えがあると思うので、唯一の正解はありませんが、私は経験上、こう考えています。

「ほっとけ」

泣いていることは本人が1番自覚しています。(当たり前ですが)
泣いちゃいけないことも本人がもっとも自覚しています。
自覚していたって、何かどうにもこうにも涙が出てきてしまうことはあるものです。

先輩など他者に対して言い返せない悔しさ、かも知れない。
言われたのにできない自分へのふがいなさかも知れない。
なんだかわからない世の中の理不尽に対してかも知れない。

理由はいろいろあるでしょうが、とにかく、言葉にできない何かが心身に溜まって、それが堰を切ってしまった時に、涙腺も決壊するという事態に至ることは多くの方が経験しているのではないでしょうか?(でもないのかな?)

だから、「ほっとけ」なのです。

「仕事場で泣くな!」「泣いたらダメだ!」と叱ったって、当人は「そんなことわかっているけど、一度出始めたら止まらないんだよぉ、涙」と思っているでしょうし、

「大丈夫?」「少し休んでくる?」などとあまりに気を使いすぎるのは、たとえば、その直前に叱責していたとしたら、その内容そのものがどこかへ飛んでいってしまいます。

いつまでも泣いているわけはないのですから、先輩は動揺せず、「ああ、泣いているなぁ・・・」と冷静に捉えればよい。その上で、「落ち着いたら話そうか」とでも言って、一旦、彼・彼女をリリースしてやったらいいと思うのです。

20年ほど前のこと。2年目の先輩が1年目(つまり新入社員)にちょっと厳しく指導したら(今思い返しても言い過ぎではなく、パワハラでもなく、フツウに指導していただけの場面でした)、その新入社員がはらはらと涙を流して、トイレに駆け込んでいったことがありました。

それを聞きつけた課長が、その当事者である2年目の先輩に
「彼女は泣いていて、気分が悪そうだから、午後は帰宅させたほうがいいのではないか」
とおたおたしながら言うのです。

私は、この時、OJTの全体取りまとめをしていたので、一緒に聞いていて、一言こういいました。

「泣いたくらいで帰宅させる必要なんてありません。そのうち戻ってくるので、放っておいて大丈夫です。」

帰宅などさせたら、泣いていいことになるし、指導した2年目の先輩だって心がいたみます。

そんなことで甘やかすことはありません。
時間が経てば落ち着くのだから、ただ、放っておけばよいと思っています。

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