2010年8月4日水曜日

旧ブログ記事:「自分の新人時代を思い出しました」(2010年8月4日掲載)

OJT担当者向けワークショップ、三都物語進行中(まだまだ)。

今日は久々に新宿オフィスに出社し、残務というより、蓄務(溜まった仕事)をお片づけ中。

そんな中、先日受講してくださった方から、メールが届き、とても素敵な内容だったのでご紹介します。もちろん、ご本人の許可を得ています。(主旨をかいつまんで編集)

「今年初めてOJTトレーナーとして1年目社員の指導にあたることになりました。これまで自分が蓄積してきたシステムエンジニアとしてのいろいろなものを後進に伝えたいと思っていた矢先だったので、とてもいいチャンスだと思います。」

「今回の研修で新入社員との接し方や指導方法を学びつつ、自分の新人時代を振り返ることができました。」← この方は社会人歴15年くらいだそうです。

「文系出身でSEになった自分が始めて担当したシステムは、DECのVAX/VMSを使うものでした。VMSやDECnet、DECrdbなどの分厚いマニュアルを何度も見ながら、その時の自分に持てる精一杯の力を注いでそのシステムの面倒を見ました。」

「新人時代のノートを取り出してみたら、”ここはVAX/VMSオペレーションを参照”などと書いてありました。」

「新入社員にもノートを取ることの大切さを伝えました」

・・・

そして、これらに加え、

「かつて長年面倒をみたDECのマシンをWindowsに置き換える作業を終え、電源を抜いて、VAXを廃棄場所に移動させる時、お世話になった先輩に永遠のお別れをするような気持ちになり、大きなVAXやモニターをなでなでしました。」
「仕事に対してこんな気持ちを今年の新入社員に持ってもらえるよう、これからOJTのトレーナーとしてしっかり後輩を育てていきたいと思います。」

とありました。

・・・・

DEC出身で、VAX/VMSで人生初のOSを知り、そのVMSを10年間も研修講師として教えていた私は、もう「VAXをなでなでしました」のあたりでウルウルしてしまいました。

それと当時に、こんな風に新人時代の思い出を持ち、15年経っても必死だった新人時代のノートを保管していて、それを見返してみながら、後輩にその時の思いを伝えてあげられるなんて、なんと素敵なことだろう、とも思いました。

新入社員の指導を任されると「通常業務に加え、面倒なことがひとつ増えた」とネガティブに捉える方も中にはいらっしゃいますし、確かに大変さがひとつ増えるという側面は否めません。

でも、この方のように、「自分の新人時代を思い出し、その時の思いを再燃させた」り、「ノートを持ち出して、このノートが仕事に役立ったこと経験から、後輩にもノートを取ることの大切さを語った」りできることは、後輩のためだけでなく、自身の内省にも深く関わってくることでしょう。

私も文系出身で、泣きながら新人研修を受けた口です。でも、その時、ちーっとも分からずに書いていたノートが半年もしない内に全部理解できるようになった時のことは今でも鮮明に覚えています。

自分の体験から、自分の言葉で後輩に伝えるものを沢山持っている人は、頼りになる先輩です。

後輩育成を楽しみながら進めていかれることと思います。

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メールくださった方へ:

「VAXをなでなでした」という感動のお話をありがとうございました。DEC出身者にとっては感涙のエピソードです、きっと。

後輩指導の成果をまた、いつかお知らせくださいませ。楽しみにしております。

(ご存知ない方も既に多くなりましたが、当社グローバルナレッジはDECの教育部門が分離独立して1996年に創業した会社です。創業当初のメンバは全員DECからの移籍組。私もその一人です。)

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