ちょっと前のこと。「部下とのコミュニケーション力を強化すべし」という企画がありまして、外部講師としてとある企業に招かれました。
さぞや、「きちんと傾聴できない」とか「自分の言いたいことだけを一方的に言っておしまい」といった方ばかりがお集まりになるのだろう、と想像していたら、とんでもない。
皆さん、「他者の話を落ち着いて、じっくり、丁寧に聞」き、「自分の言いたいことは簡潔に、押し付けがましくなく伝」えることができていました。それはそれはお上手なのです。
そこで、はた?と悩みました。
『今日集まった方は、どちらかというと、部下とのコミュニケーション力が弱い点をなんとか克服し、改善しよう、という思われている方のはず。なぜ?』と。
参加者の方にも正直に申し上げました。
「皆さん、ホントに上手ですね。よく聞けているし、共感もしているし、おっしゃっていることもわかりやすいし。素晴らしい。」
すると、何人かの方がこう応じました。
「これがねぇ、仕事中にできるといいんだけど。」
・・・・・
なるほど。さらに聞くと、
「上からあれやれこれやれ、あれはどーなっているんだ、これはこーだろー、と次々プレッシャーがかけられる中、部下から些細な相談ごとなんか来ると、ついいらっとして、『あとにして』と冷たく反応したり、キーボード叩きながら聞いちゃうことも多々あるんですよね。普段できるかどうかが問題なのだなあ・・・。」とのこと。
それで思ったのですよ。
中間管理職は、何かと槍玉に上がり、やれ、「部下の話を傾聴しろ」だの「わかりやすく説明しろ」だの「部下のやる気を引き出すようにしろ」だの「キミ自身もモチベーションを維持しろ」だの、あっちからこっちから言われて、もう大変です。
部下のケアもあるけど、自分も目標があって、それを「プレイングマネージャー」というていのいい言葉でごまかされ・・・。やってらんないよ、ってことじゃないか、と。
中間管理職のコミュニケーション力が低い、とした場合、本当に低いのではなく、そのスキルを発揮できないほど、追いつめられていることはないのか?を考えてあげる必要があるのではないでしょうか?
「わかっちゃいるけど、できない」というほど、いっぱいいっぱいだとしたら、それをサポートしてあげることができるのは、さらにその上の上司だったりすると思うのだけれども。
でも、上の、たとえば、部長などは、そんなこと配慮してあげなかったりするんですよね、これが。
・・・
ホントに、「中間管理職はつらいよ」と思った出来事でした。
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薄々お気づきかも知れませんが、ブログの書き方をちょっと変えました。文体とか文字の大きさとか。ちっちゃなことですが。
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