2011年2月15日火曜日

何のために「学ぶ」のか。

新入社員研修のスタートまで1.5ヶ月を切りました。
各社との事前打ち合わせも最終の詰めをする段階に入っています。

こういう打ちあわせをしていると、いよいよ4月が近づいてきているなあ、と実感します。以前も書きましたが、とにかく、知力に加え、体力増強し、4月に備えねば!と気合を入れ直しています。

ところで、新入社員研修というのは、たいていの場合、一斉教授方式で進められます。もちろん、最近は、講義をずっと聴いているというスタイルはあまりなく、ワークショップ形式、体験学習など様々な学びの形態がとられてはいます。

ただどういうスタイルをとったとしても、企業側のお仕着せの学習機会であることには違いありません。(それは悪いことでもないし、ある面、仕方ないことでもあります。現時点では)

新入社員にしてみると、入社式で社長の訓示を聞き、各部門紹介の説明を受け、その他新社会人として、あるいは、新入社員として最低限必要なオリエンテーションを受けたら、翌日くらいからは新入社員を集めた新入社員研修に入っていくことになります。

学校を卒業したら、もっと「学校っぽい」環境に数週間、数ヶ月身を置くことになるわけです。

だから、最初は、「社会人になった!入社した!」と緊張している彼ら・彼女らも、教室環境にずっといることでだんだんと「学生気分」が戻ってきてしまうことも多いのです。

ここだけの話ですが(笑)、新入社員の研修で、もっとも反応がいいのは、

「テストに出ますよ」

だったりします。すると、今までノートを取らない受講者も慌ててノートに記載したり、テキストにマーカーで線を引いたりします。

しかし、本来はそんなセリフでノートを取る行動を促し、学習意欲をかきたてるのは邪道なのですよね。

なぜなら、「テストに出ますよ」は、あくまでも「外発的な動機づけ」だからです。

それよりも、

●何のために新入社員研修というものが企画されているのか
●そこで何を学ぶことを期待されているのか
●新社会人として彼ら・彼女ら自身が何を目指して学習し、どう成長すべきなのか

をちゃんと理解させることのほうがうんと重要です。

新入社員自身が遠い将来・近い将来、自分は「こうなりたい!」と理想像を描き、内面から学習の必要性を感じ、学習し続けられるようにすることが大切なんですね。

それこそが「内発的に動機づけられた学習者」ということですし。

私たち旧人(新人ではない、ベテラン、昔から社会人をやっている、という程度の意味です)は、ついつい、新社会人でもある学習者に

●とにかく勉強しなさい
●とにかくこのルールを守りなさい

と、「○○させる」ことに気持ちを砕いてしまいがちですが、

本来、大人は「自ら学ぶ存在」です。

であれば、

●何のために学ぶのか

をきちんと意味づけするための支援から始めるべきなのです。

これは、私たち、人材育成の現場で講師をする人間だけではなく、各企業の人事部・人材開発部・研修部など事務局にあたる方にも同じことが言えます。

学習者自身に「学習すること、成長すること」の意味を考えさせ、学習者自身が「学びたい」「学ぶべきである」と感じながら、内発的に学びが進行する環境を作ることがまずは大事なのですよね。

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