2000年問題がIT業界では話題になっていたその年明け、1月に37歳になった。「2000年に何が起こるのか?」と戦々恐々。蓋を開けてみたら、さほど大きなトラブルもなく、新しいミレニアムが始まった。
確か、この年、勤務先に「プロフェッショナルスキルグループ」というのができた。これは、今私が携わっているヒューマン・スキルやコンセプチュアル・スキルなどの分野における人材育成に携わる専門部隊である。
DECで「ヒューマンスキル」研修を立ち上げた1991年から、1996年グローバルナレッジに転籍してからもずっと「IT技術を教える部門」の片隅に一人ぽつんと「違う仕事をしている人」として位置づけられていた。
1997年頃から、ヒューマンスキルの需要が伸び始め、かなりの仕事量にもなってきて、とうとう2000年「一部門」として独立させていいのではないか?ということになった。
苦節?10年。とうとう、独立部門になった。独自に売上・利益目標を持つということである。
この時のわくわく感や「とうとうやったぜ!」的な感慨は10年以上経過した今でもよく覚えている。
私がヒューマン・スキルの研修を本格的に始めたのは27歳の時である。一人で始め、一人で細々と続けていた。そして10年。37歳の時、独立した部門になった。
「10年続けていたらいいこともあるものだなあ」と思ったものだ。
一人で妙なことをしている、と周囲に思われていたりもしたので、針のむしろの気分を味わったこともあったが、「ITエンジニアには、IT技術だけではなく、コミュニケーションやらプレゼンテーションやらリーダーシップやら、そういうヒューマンスキルは不可欠な要素だし、必要としている人が大勢いるに違いない」という信念を持ち、続けてきた。
今では、当社において、独立した部門であることは当たり前になった。
私の37歳の思い出は、この時の「ようやく日の目をみたなぁ」という感慨に満ちている。
さて、わが友人、大木豊成さんの新著 『あたりまえだけどなかなかできない37歳からのルール』は、そんな37歳前後の働く男性と女性に向けたエッセイである。
大木さんの体験に基づいて、37歳に向けたエールになっている。それも100トピック! 100のエールだ。
★ルール08:「37歳は、35+2なのか、40-3なのか?」・・・あ、ホント。どうとらえるかで覚悟が変わるかも知れないな。
★ルール20:「自分が会社を動かしている」・・・似たようなことを当時尊敬している先輩によく言われたことを思い出した。「マネージャじゃないからできない」などと言っている暇があったら、自分ができることを考えて、動け。マネージャも利用せよ、と。
★ルール34:「部下も自分の鏡」・・・おお、言いえて妙。そうそう。部下がなっとらん、ともし思ったら、わが身を振り返ることって大切だと思う。この本にもあるけれど、「あなたこそ挨拶しているのか?」と問われて、どきっとする人もいるのではないかしら?
・・・あまり書くとネタバレになるのでこの辺で。
読了し、本を閉じて思った最初の感想は、「なんとまあ赤裸々な」であった。
失敗しことも恥ずかしい思い出も余すところなく書いてあって。でも、そういう体験に根ざす話は、理論だとか理屈だとかを超えて、「そうだよねぇ」「ふむふむ」と思わせるものがある。
そして、全編が「前向き」である。大木さんのお人柄が出ている。「前向き」って大事。元気出るし勇気も湧くから。
今37歳の方もこれから37歳になる方もとっくに37歳を通過した方もぜひ!
あ、サインしてもらわなきゃ。あと、手形も押してもらって、と(笑)。
淳子さん、ありがとうございます。
返信削除前向きになる、って重要だな、と、本書を書いていて再認識しました。
愚痴、不平、不満、毎日いろいろあるけれど、そこに埋没しないようにしないといけない、と日々感じています。
kumaboo(大木)さん、コメント、ありがとうございます。なぜか、こちらのブログに書いてしまいました(笑)。
返信削除前向きと、単なる「ポジティブシンキング」は、ちと意味が違うだろうなあ、と最近思うようになりました。