2009年6月18日木曜日

旧ブログ記事:そんなに楽しいなら・・・(2009年6月18日掲載)

OJT担当者研修を4月からずーっと行っています。

「OJTの担当者になって嬉しいか?不安か?」といったことをお聞きすると、だいたい半々な感じです。(嬉しく、且つ、不安。という方もいらっしゃいます。)

私は、といえば、2年目に入ったら、当然のごとく1年目(新入社員)のブラザー・シスターになる決まり(不文律)があったので、今でいう「OJT担当」になりました。

とにかく、嬉しかった。「新人じゃなくなった。先輩になった。後輩ができた。何かしら教えることができる」と。わくわくの気分でした。

当時勤務していた日本DEC教育部では、”新人仕事”として”バックアップ”ってのがありました。

教育部のシステムバックアップを月曜日朝から午前中かけて行う、というもの。

20年以上前のことですから、大きなディスクパックをセットして(なんというのでしょうか、丸いお盆を何枚も重ねたようなディスクです)、コンソール端末からコマンドを入力し、ディスク丸ごとバックアップするのです。

その作業を新入社員に引き継ぐことになりました。

後輩に「バックアップ方法を説明する」のは私の仕事だったのですが、説明の終わりに「楽しいから、頑張ってね」と言ってしまいました。

すると、新入社員の一人が

「そんなに楽しいなら、田中さんが今年も引き続き行えばいいじゃないですか」

と言ったのです。

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「新入社員がなんてことを!」とフンガイしたわけではなく、「ああ、そうか、言い方間違えた」と思ったものでした。

バックアップ作業は、別に楽しいものではないのに、引継ぎの説明中、つまらなそうに聞いている後輩についついおもねるように

「楽しいから頑張って」と言ってしまったのですが、本来なら、「こういう目的で行っている大切な仕事なのだ。つまらなくても、やらねばならぬのだ」と説明すべきだったと、今なら分かります。

後輩の顔色を見ちゃうことってありますよね。

「あ、フキゲンそうだ」とか「面白くなさそうだ」とか。

そういう時、それでも軸をぶらさずにいるというのは、勇気のいることだと思います。

が、それもまた、人生修行のひとつなのでしょう。

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