2009年6月27日土曜日

旧ブログ記事:大臣制の導入!?(2009年6月27日掲載)

新入社員研修のカリキュラムで、チーム単位で種々の演習(活動)を行い、最終日に成果を出すタイプのものがある。チームをひとつの企業組織と見立てて最終日まで同じメンバで協働作業を進めるのである。

最初は「コミュニケーション」もなかなか成立せず作業がはかどらない。

本人たちは、「ちゃんと会話したよね」と思っているのだが、「しゃべりたいことをしゃべるだけ」という状態であったりもする。

時間管理もなかなかうまくいかないため、締め切りが過ぎて成果物が出せないこともある。

これらは、すべきことがわからないために起こっている事象なので、大した問題ではない。そこから何を学び、今後どう改善するか自分たちで考え、次の行動に反映すればよいだけの話だ。

毎回作業後に振り返りの時間を設けて、今後の改善策や対応は必ず自分たちで考え、決めてもらう。

あるチームでは、「『大臣制』を導入しよう」という話になった。講師はこういう時、どうなるか見守ることにする。

彼らはどういう大臣を決めたか。

「進行大臣」「模造紙大臣」「机片付け大臣」「励まし大臣」「時間管理大臣」「プレゼン大臣」・・・。8人のメンバ全員が「○○大臣」となった。

最終日、その「大臣制チーム」がダントツの成果を出した。スタート時点で必ずしもチームワークが良かったわけではないのに。

彼らは最後の最後の振り返り発表の際、こう総括していた。

「私たちは、それぞれが勝手な動きをして、うまく連携が取れていないことに途中で気づきました。また、誰かがやるだろう、と放置される部分があることも反省しました。そこで「大臣制」を導入し、それぞれに責任者を決めました。全員が、「自分のすべきこと」を理解し、かつ、協力しあって成果を出すことができました。」

この発表は、もちろん、「プレゼン大臣」が中心となって行った。

大臣制を敷いたものの、その人だけがその役割を果たすのではなく、「○○大臣」がイニシアティブを持って活動する、周りを巻き込む、というスタイルで動いていた。

チームのあらゆる活動に対して、誰がそれをすべきかが明確になったことで、動きやすくなったということだ。

「大臣制の導入」。新入社員の発想には驚く。年長者がそこから気づかされることも多い。

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これ、「大臣」というところがミソだと思ってます。

「係」ではなく、「大臣」。互いに「模造紙大臣!」などと呼び合っていました。

そうすることで、それだけで、なんとなく、意気に感じるんじゃないか、と現場で見ていて、そう思いました。

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