2010年6月20日日曜日

旧ブログ記事:アンテナまちまち(2010年6月20日掲載)

先日、わたくし、社内で、

「最近、サッカーの試合を毎日やっているように思うんだけど、なんで?」

という、我ながらソボクな疑問を口にしてみたところ、多くの人に

「え?イマドキ、そんなことを言っている人がいるなんて!」

と驚かれたのですが、どうやら、W杯で世間は盛り上がっている様子。

夕べのTwitterでも多くの人が実況中継してくれていたので、その盛り上がりはなんとなくわかってきました。

田中がかなり珍しい部類に属するとはいえ、同僚の横山哲也も私と同じような知識と関心量らしく、セルジオ越後という固有名詞を夕べ初めて聞いたとTwitterでつぶやいていました。(見知らぬ方のつぶやきでは、「セルジオ越後は、新潟のサッカーチーム名だと思っていた。まさか、人間だったとは?」という、くすっとしてしまうものもありました。)

これほど世間を騒がせているような話題であっても、知らない人がいる。全ての人の興味・関心が同じ方向を向いているとは限らないのですね。

ましてや、社内。

たとえば、

「新製品が完成したので、社内向け商品説明会を行った」けれど、数週間もしない内に、「そういう新製品があるんだったら、もっと早く教えてよ」と言われることがある。(説明会開いたし、メールや社内掲示板でも告知したじゃない、と発信者は思う)

たとえば、

「Xというサービスにこういう導入事例があるから、他社でも横展開したい、と多くの人に伝えた」つもりだけれど、1ヵ月後に営業から「Xってうちでは事例まだないよね。実績ってないよね」と言われ、愕然とする。

たとえば、上司が部下に、「今年はこういう方針で、これに挑戦するから、皆もそのつもりで情報を集めておいてね」と年初に言ったけれど、半年くらいしたら、部下から「今年の方針ってちゃんと聞いたことがない」などと文句言われることもある。

・・・・・

これら、全て「聞いていない方が悪い」と片付けるのは簡単ですが、それで問題が解決するわけじゃあない。

サッカーのNEWSを毎日、いや、朝も昼も晩もTVや新聞や、あるいは、人々の会話ででも耳に、目にすることがあったとしても、「サッカー、なんで毎日やってるの?」などと言う人(=私です)がいる。

アンテナが立っていない人には、引っかからないわけですね。

サッカーならまだいい。趣味の範囲だから。

ところが、仕事だとこれじゃあ困るわけです。少なくとも情報発信者側はとても困る。

じゃあ、どうすればいいのか。これ、とても難しい問題です。

どの企業でも「情報共有が課題」と言います。それが課題じゃないという企業やチームにまだ私は会ったことがありません。必ず、課題のひとつとして「情報共有」というキーワードは上がります。

だから、色々なツールや場を使って、情報を提供しようとするのだけれど、それには限界がある。サッカーと同じで、アンテナが立っていない人には何を使おうが届かないから。

ツールや場以前に、アンテナを立てさせる、アンテナの感度を上げる必要があります。

ただ、どうすればよいのか、というのは、「これ!」という答えが見出せません。特効薬があれば、私も教えて欲しいくらいです。

発信者側は、「相手のアンテナ」が自分と同じ方向に向いて立っていて、同じように情報をキャッチしているとは限らない、という事実だけは知っておくべきですよね。

「知っているはず」「わかっているだろう」「伝えたから理解したに違いない」というところから、ずれは生じるのでしょうから。

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