2010年6月22日火曜日

旧ブログ記事:アメリカ式の研修を日本でやりたい(2010年6月22日掲載)

アメリカに3回、受講に行ったことがあります。全部で5クラス参加しました。

いずれもヒューマンスキルの研修。もちろん、アメリカ人の講師。参加者もほぼ全員がアメリカ人。(全クラスを通じてアメリカ人でなかったのは、たった一人のカナダ人(しかもケベック州のフランス語ネイティブな彼)。そのほかの外国人はいつも私だけ。極東の小娘としてちょこんと教室に座っている)

毎回、思うことがあります。   アメリカ人の受講風景は、「自由だ!」です。

●講師が講義している途中、突然、立ち上がり、後ろの席まで行って、机に腰掛けたまま聞いている
●突然教室から出ていき、しばらくして、コーヒーとマフィンを持って戻ってくる
●講義中、思いついたことがあったら、手を挙げ、すぐ発言する

など。

このうち、机に座って受講とかコーヒー取りに行くとか、なんでこんな「自由奔放」な行為をするのかというと、彼らの「眠気対策」なのです。

眠い!まずい!じゃ、立ち上がろう!
眠い!やばい!じゃ、コーヒー、取りにいってこよう!

・・・・

講師は、こういう光景になれているので、一瞥もくれません。普通に淡々と進行します。

こういう講義風景にあこがれます。だって、受講者が真に「自立・自律」しているように思えるからです。

日本人は、子どもの頃から「行儀よく座っている」ことを「是」として、仕込まれてきましたので、講義中に立ち上がることも、教室から出て行ってしまうことも勇気がなくてできません。(私が受講者でもなかなか出来ません。)

でも、その分、眠くなると、どうしてもうつらうつら。白目をむいて我慢していたりして。

講師だって、演習を入れたり、突然、「そういえば・・」と脱線してみたりしますが、限界があります。

こんな時、「ああ、アメリカ人のように、日本の教室も自由度が高ければ」と思うのです。

いや、こんなことは、講師である、私が皆さんに「立ち上がっても、出て行ってもいいですよ。その代わり、居眠りしないでください。セルフマネージメントしてください」と最初に言えばいいのかも知れません。

言われてもなかなか染み付いた受講態度は変わらないかも知れないけれど(だって、価値観みたいなものは、そうそう簡単に捨てられないから)、でも、言ってみる価値はあるかなあ。

アンケートに「講師は眠くならないような工夫をしていた」とか「眠くなる時間帯は配慮して」などと書いてあることがあり、あくまでも他力本願なのが、日本の受講風景。

アメリカ人は、決してそういうことを書かないような気がします。

●一見行儀悪く見えるけれど、自分で寝ないようにセルフコントロールするアメリカ人

●行儀よいけれど、眠気に耐えられない日本人、

学び手として、どちらがよいのでしょう?

私は、講義中にうろうろされても、立ち上がられても、突然、発言されても、急に出て行かれても、驚かない自信があります。

なので、ぜひ、皆さん、もっと自由に受講していただきたいのです。

なぜならば、その時間をもっとも有効に活用しなければならないのは、学び手自身だからです。

・・・

というわけで、今後、「自由にしてください」と宣言してみることにします。最初は誰も動かないでしょうが、言い続けていたら、そういう「アメリカ人」のような受講者がぽつぽつ出てくるかも知れません。

あとは、人事部など主催者事務局が「行儀悪くしない」などと固いこと言わないようにお願いすることですね。

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