2011年1月25日火曜日

「新入社員の文章力が低い」時、問題は「文章力」ではなく、「考える」にある・・・

新入社員研修やら、OJTの準備やらで、各社ばたばたしている、ということは、昨日も書きましたが、その中で

「文章力が低いのでなんとかしたい」

も例年通り挙がります。

「日報といえば、”報告書”なのに、事実の羅列や感想文になっている」
「1回読んだだけでは論旨がつかめない文章」
「言いたいことをすぱっと表現できていない」など、人事の方も現場のOJT担当者も頭を悩ませています。

こういう時、すぐ「たくさん文章を書かせたら上達するのでは?」と思って、日報だのレポートだの、あるいは、何かを書く課題を与えることが多いのですが、ただ闇雲に多くの文章を書かせたところで上達することはまずないと思っています。

「文章力が低い」原因のひとつに、

●とりあえず、書き始めてしまう

ことが考えられます。

Wordを開いて、打ち込み始めてしまう。
用紙を取り出し、鉛筆を走らせてしまう。

・・・

本当は、その前に「考える」というステップが必要なのにも関わらず、とにかく、すぐ「書き」始めてしまう。

升目を埋めていく、行を埋めていく・・・。一応、分量は整う。
ろくに読み返しもせず提出する。

その結果、先輩達から「わけわからん」とバッテンをくらってしまう。

●誰が読み手で、その人はどんな人で、
●自分は何を伝えたいのか、何を伝えるべきなのか、
●どういう順番なら伝わるのか、
●どういう表現を使えばよいのか、

を、Wordを開く前に、紙に鉛筆を載せる前に、本当はじっくり考えなければならない。

文章の指導をする場合、やみくもに赤ペン先生をしたからといって、相手の文章がうまくなることはまずないんです。真っ赤にして戻したら、若手は機械的に修正するだけで、文章について頭でよく考え直すというプロセスは踏めませんし。

「考える」。

ここをまず指導したほうがいいと思うんですよね。

で、これ、実は、「文章力」に限った話ではなく、「話し言葉」にも通じることです。

「考えて」から「話す」とすれば、もうちょっと言いたいことがすぱっとわかりやすくなるはず、です。

==================

「考える」ことに慣れていないと、一人で内省しても限界があるかも知れません。

そんな時こそ、先輩達の出番。

質問することによって「考える」サポートをしていくことはできると思います。

「コーチング」スキルは、そんな風に「アラカルト的に」使うのがもっとも現実感があると、私は考えています。(なんでも「GROWモデル」(当社の場合は「5Stepモデル」)というフルコース・コーチングでなくても、身近に使える場面は多々あるわけです。)

0 件のコメント:

コメントを投稿