2011年1月27日木曜日

ブティックの人が言う「私も持っているんです」ってなんだろ?

気づいたら、冬のセールも終わりかけていて、お店には春物が並んでいますね。

全くセールに参戦することなく、冬の洋服も増えることなく、この季節は終わりそうです。

ブティックの販売員が言うセリフには、「よく考えると不思議」というものが多いと常々思っているのですが、そのひとつに「あ、それ、私も持っているんですよ」ってのがあります。

たとえば、「このセーター、どんな感じかな?」などとひろげて、胸の前に当てて鏡に映したりしていると、店員さんが近づいてきて、

「それ、素敵ですよね。私も持っているんです」と言う。

あるいは、
「試着していいですか?」と断って、靴をはいてみると、脇にたたずむ店員さんは、にこっと、
「それ、私も買ったんです、履きやすいですよ」
などと言う。

初対面の店員さんが「それ、私、持っているんです」と言った時、客の購買意欲に火がつくかどうかは、はなはだアヤシイような気がします。

少なくとも、私はそのセリフでは動かない。

だけれど、どのブティックでもどの靴屋さんでも、どのバッグやさんでもよく耳にする

「私も持っているんです」は、きっとなんらかの効果をもたらす、とされているに違いない。

そこで、

今日初めて出会う店員さんの、「それ、私も持っているんです」が説得効果を持つとしたら、どういう局面だろう、と考えてみました。

●その店員さんが、すんばらしく美しくかっこよく、初対面にも関わらず、「ああ、この人のようになりたいなあ」と一瞬にして思わせるオーラをかもし出している。だから、彼・彼女が持っているもとを自分も持ち、「同一化」したい

●「誰かが持っている」と聴くだけで、「負けてはならぬ」「出遅れてはならぬ」と、購買魂に火がついてしまうタイプである。(つまり、「人が持っているもの」は「自分も持っていたい」と単純に思いやすい)⇒ 「中村うさぎさん」タイプ?

●おしゃれな店員さんが「私も持っているんです」ということは、「自分の選択眼がそうそう常識から外れた、特殊なところにはないなあ。一般的なんだな」と安心する・・・。「人と一緒だとほっとする」という日本人的な気質を逆手に取っている

・・・と考えてみましたが、よくわかりませんね。

他にもよく聴くセリフ。こんなのがあります。

●「今日、入荷したばかりですよ」
●「日本で3点しか入ってないんです」
●「入荷するそばから売れちゃいます」
●「今日、値下げしたばかりです」
●「東京では、ここの店だけです」
●「雑誌に掲載されたんですよ」
●「最後の一点です」
●「人気色なんです」
●「昨日、札幌店から送ってもらった貴重な1点です」

・・・・・

もっとたくさんあるようですが、思い出せないので、この辺で。

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