文化人、芸能人など著名人の子供たちがスタジオにやってきて、司会の三波伸介さんの質問に答えながら、パパ、ママの風貌を答えていきます。三波伸介さんは、子供たちの答えをもとに太いマーカーでパパまたはママの似顔絵を描いていくのです。
絵が完成したら、パパ、ママを呼び、子供のことについてクイズに今度は親が答える、といった内容だったと記憶しています。(大きな○や×を絵に貼っていく・・・)
最後の最後で子供がパパまたはママに対して手紙を読む場面があり、しんみりして、終わる、という、もう昭和ののんびりした空気漂う、ほのぼの番組でした。
その「減点パパ(ファミリー)」を欠かさず見ていた田中家。ある日、男の子二人が登場しました。いつものように似顔絵書いて、「ママー」と呼び、登場したのが、女優の小山明子さんです。
細かい話は忘れましたが、男の子の一人が読んだ作文にこんな一文がありました。
「うちのママはおうちにいる時とお仕事をしている時とでは全然顔が違います。まるで”整形手術”をしたようです」
この部分に大爆笑の田中家。
以来、30数年、ずーっとずーっと、「小山明子さんの息子さんの作文は、面白かったわねぇ。”お母さんは整形手術をしたみたい”なんてねぇ」とことあるごとに茶の間の話題に上るのでした。
さて、あの番組から30年。2000年の頃です。
私、とある学会イベントで「パネラー」を任命されました。他のパネラーの方と事前に顔合わせをしたいと事務局に申し入れ、夜会食することになりました。
私に声をかけてくださったのは自由が丘産能短大の池内先生(DEC時代の同僚)で、彼が「パネラーの一人に大島武さんという人がいるんだけど、どうせわかるから予め言っておくね。映画監督の大島渚さんの長男で、大学の先生なんだ」と教えてくれました。
その瞬間、「あ!大島渚さんのご長男、ということは、小山明子さんのご長男ということでは?あの”整形手術”作文の息子さん本人!?」と思い、当日お会いするのがもう楽しみで楽しみで。
会食場所に登場した男性は、「大島渚さんと小山明子さんどちらにもよく似た風貌と父上ゆずりの高い声でお話になる」方でした。お名前は大島武さんと言い、東京工芸大の先生をしているとのこと。専門は私と似ていて、コミュニケーションとかパフォーマンス学など。
「まずはビール」の乾杯もそこそこに、もう聞きたくて聞きたくてしょうがなかった質問をいきなりぶつけてみました。
「あのぉ、初対面で、こんな質問もなんですが、30年くらい前の「減点ファミリー」という番組で、”お母さんは整形手術をしたようだ”という作文をお読みになったご本人でしょうか?」
・・・・・
「えっ!?そうですけど、あの番組のこと、知っているんですか?あの作文、僕が読みました。」
おおぉぉぉぉお!!! 30年ずーっと田中家の茶の間の話題になっていた「小山さんの息子の作文」を書いた当人が、今、目の前にいる!
大島さんによると、「減点パパから減点ファミリーに変わった初回だったんだよね。でも、この30年、あの作文のことで質問されたのは、今日が初めて!誰もそんなこと聞いてきた人いなかった」とのこと。
この日以来、友人として年に何回か集まってはわいわいする仲間となりました。
その大島武さんが、先日、新著を出版なさいました。(おめでとうございます♪)
●大島武さん著 『プレゼン力が授業を変える!』 メヂカルフレンド社。
雑誌『看護展望』(メヂカルフレンド社)で連載されていたものをまとめたものだそうです。
看護教育などをなさる方向けではありますが、たまに医療・看護の言葉が出てくるだけで、全体的には、「人に何かを教える」「人に何かを伝える」際のプレゼンテーションの仕方(わかりやすく教える工夫、聞いてもらえる授業のコツ、飽きさせず聴き手を巻き込むノウハウなど)がふんだんに盛り込まれています。
大島さんに頼まれて、この本の書評を寄稿することになりました。面白いイラストも挿入されていて、とても読みやすい本ですし、大島さんのマジメで優しい人柄が文面から現れている本でもあります。
35年前、TVの中で作文を読んでいた小学生の少年が、長じてお書きなった本の書評を、その番組を茶の間で両親と大笑いしながら見ていた、同じく小学生の私が書くことになるという、このフシギ。(大島さんが5年生、私が6年生だったはず)
こんな体験から、「会いたい」と思っている人には、いつか会える・・・というのは、ありうる話かも、と思うのです。
大島さんは、数年前に「ベストプロフェッサー」という、「大学の先生として教え上手No.1」といった賞を受賞されていますし、『プレゼンテーション・マインド』という、これまたわかりやすい本もお出しになっています。(← この本もお奨め)
ぜひ、ご一読くださいませ。
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大島さんに、「減点ファミリーのことも含めて、ブログに書いていいですか?」と問い合わせをしたら、本を紹介してくれるのなら、なんでもどーぞ、と快諾が。
というわけで、上記、詳細に報告いたしました。
数日前、Twitter上で、
「減点ファミリー、知っている方!」
と問い掛けたら、「知ってる」「いい番組だった」と反応がありました。
40歳以上なら知っているのかな?
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