2010年7月9日金曜日

旧ブログ記事:言葉は生きているので・・・(2010年7月9日掲載)

以前住んでいたマンションの最上階に、とてもお金持ちの(ご自分でそうおっしゃっていた)女性が1人暮らしをしていた。

その方は、なぜかいつも「文句」から会話が始まるという特徴があって、たとえば、

「ああ、今日も暑いわねぇ、私の部屋は最上階だから、太陽の熱が直接やってきて、部屋の中が高温になっちゃうのよ。前に住んでいたマンションは高級マンションだったから、そんなことなかったのに、ここは安普請なのね」

とおっしゃる。

私など清水の舞台から飛び降りる覚悟でその安普請を購入したので、住まいへの文句は直接、私の心にもぐさっと突き刺さる思いがしたものだ。

他にも、
「毎日寒くてうんざりするわね」「疲れちゃって大変」「ここの管理は、大したことしてくれないのね。前のマンションでは管理人がいて・・」などと、会う度に「ネガティブ」な発言を聞かされるのだった。

どの発言も私に向けてのものではもちろんなく、マンションの施行会社だったり、管理会社だったり、あるいは、世間だったり、単に天候不順に対してだったり、向く先はいろいろなのだけれど、基本姿勢が「ネガティブ」。

ある朝、仲良くしている別の階の女性とエレベータで出会い、「おはようございます」と声を掛けたところ、彼女が、こう言ったのに驚いた。

「あ、おはよう!田中さんでよかった・・・。●●さん(最上階の方)だったらどうしようと思ったわ」
「え?どうしてですか?何かありました?」
「●●さん、愚痴っぽいでしょう?朝からあの愚痴を聞かされると、なんか一日がどんよりした気分で始まっちゃうので、できるだけ会わないように出社時間をずらしているのよ」

・・・。

ああ、そうか。

そうやって、ネガティブは波動となって他人に伝わっていってしまうのだなあ。

私は、そのオバサマを避けるといった行動にまでは出なかったけれど、「朝、できるだけ出くわさないようにしている」という人も中にはいるのだ。

言葉はそれ自体がエネルギーを持っているので、ポジティブな言葉遣いをすればそれだけポジティブなエネルギーを自分にも周囲にも伝えていくし、ネガティブな言葉を発信すれば、その分だけ自分にも周囲にもネガティブな影響を与えていってしまう。

問題は、相手にネガティブ波動を送るだけではなく、発した自分にもそのエネルギーは浸透してしまうことだ。

その女性は、いつも苦渋に満ちた表情をなさっていた。もっと笑顔で過ごしたら素敵なのに、と思っていたけれど、長年のネガティブ思考と発言で、表情まで険しいものになってしまったのかも知れない。

文句とか愚痴は、たまに言いたくなることがあり、それはそれで相手を選びつつ聞いてもらうのは、カタルシス(浄化作用)が得られるのでよい部分もある。

でも、それは、程度問題で、やはり、「ポジティブ発言 > ネガティブ発言」というバランスでありたいと思うのである。

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