何かと批判の対象になる上司。
コーチングの研修から戻ってきて、突然、「傾聴」らしきものを始めると、部下が「なんだか、今日は普段と違って、やたらと”なるほど””なるほど”って言うから気味悪くて」なんて後でウワサしたりする。
あるいは、部下が何かを提案する。普段は、「それはダメだろう」と一刀両断するのに、その日は、なぜか「●●さんはそういうアイディアを思いついたんだね」なんて受容的な聞き方をする。そればかりか、「すごいね」「それは面白いね」などと褒めてくれたりもする。
すると、『ああー、気持ち悪い。上司、どんなドーピングをしたんだ?』といぶかしく思う。
・・・これって、かわいそうじゃあないだろうか。
「他人は変えられないが、自分は変えることができる」
「過去は変えられないが、現在は変えることができる」
という言葉をよく耳にする。
上司が、
「これまでの部下との対応方法(過去)」を捨て、「研修で学んできた新しい方法と取り入れようと努力している(現在)」というのに、受け手がそれを辛かったり、斜に見たりしてはかわいそうである。
「部下に変われ」といわず、「上司としての自分を変えてみよう」と頑張っているっていうのに・・・。
・・・・
部下は、上司に変わって欲しいと思う。
たとえば、「私の話を聴いて!」「たまには褒めて!」と言う。
なのに、上司が突然その行動を変えると、「怪しい」「変なの」「笑っちゃう」「無理しちゃって」と言う。
それは、フェアじゃない。
誰かが変わろうとしている時、それを笑うのではなく、暖かく見守るべきである。あるいは、応援してあげるのがその行動変容を促進する力になるのだ。
上司がある日突然、何かを始めたら、そっと暖かく見守り、可能であれば、笑う代わりに、こうフィードバックしてあげて欲しい。
「ちゃんと話を聴いてもらえたので、すっきりしました」
「褒められると気持ちいいですね」
「最後まで話を聴いてくださって、ありがとうございました」
こういうフィードバックを受けることで上司だって自信がつく。
それと、上司も笑われたら、「やっぱり、元通りにしよう」などとすぐあきらめず、「研修で習ったことをやってみているんだ!」とカミングアウトすべし。
言っちゃったほうが楽になる。絶対に。
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