先日、マネージャさん向けの「コーチング」研修を担当しました。一社向けです。
演習の振り返り時に、こんな声が耳に入ってきました。
「オレ、自分の話したいことをいつもしゃべっていたなあ・・・。聞くってあまりしてなかったなあ」
「傾聴しなきゃ、と思うけど、ついつい、結論を急いじゃうんだよなあ」
・・・・
結論は、
「やっぱり、性格だからしょうがないよなあ」
「性格を変えないとダメかなあ」
でした。
そこまでは介入せずに聴いていたのですが、あ、やはり、ひとこと添えよう、と思い、近づいていって、コメントを。
「こういうの、基本的にスキルですよ。そりゃ、性格も影響はするでしょうけど、スキルとして”使う”ことができるものです。ただし、”その気”になれば、ですけど」と言ったところ、
「あ、そういう風に聞くとちょっと気が楽になる」とおっしゃった男性。
「だいたい30年、40年と生きてきて、”性格変えろ”って言われてもいやではないですか?私はいやだし、できない、と思ってしまう。だけど、”スキル”だから使ってみたら、と言われたら、ちょっとやってみようかな、とは思える。できるかどうかは別として。」
・・・
「うんうん」と皆さんがうなずいた・・のですが、すかさず別の男性が「でも、使う、っていっても、すぐ忘れちゃうんです」とおっしゃいました。
「スポーツを考えてみてください。今日習って、すぐその技術って使えますか?テニスでもスキーでもゴルフでもいいけれど。繰り返しているうちに少しずつ自分のものになりますよね?同じことですよ」
「あ、そうかあ・・・」
・・・・
「で、ですね。コミュニケーション関連の練習って、素振りもなかなかできないので、部下を”練習台”にしちゃう、部下に練習台になってもらう、ってのが手っ取り早いと思います。恥ずかしいと思うなら、”練習台になって!”とカミングアウトしてしまえばいいんですよ。」
「うーん、それは言いたくないなあ」
「あ、それ、ボクは言える、そうしよう」
など口々に反応がありました。
この件は、このブログでも「わくわくヒューマン・スキル」の第3回「慣れない内は”筋肉痛”」でも取り上げてきましたが、コミュニケーションに関することは、たいがい「スキル」です。
性格だの資質だのを云々していたら、つらくなるし、先に進めなくなる。
そりゃ、社交的な人はいます。誰にでも話しかけちゃうし、誰とでもすぐ打ち解けるタイプ。
反対に、内向的な人もいます。人見知りで、すぐには打ち解けないタイプ。(ちなみに、私は、後者です。信じてもらえないと思いますが、超内弁慶の人見知りです。)
ただ、仕事で「誰かと何かをする」ことになったら、「スキル」を仕事の道具の一つとして使えばいいと思うのです。
どうすればいいのか?といえば、ただひとつ。
「使おう、という気になる」だけです。その気になる、使ってみる、それだけ、です。
使ってもいないのに、知らず知らずの内に上達するスキルってないから。
大仰に構えず、まずは、何か1つを試してみたらいいと思っています。
たとえば、「呼ばれたら、”はい”と返事をする」とか、「振り返る時に眉間のしわをなくしてみる」とか。
何かたった一つを。小さなことでよいので、たった一つから。
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