昨日、クラス会は原点回帰、と書きつつ思い出したことがあったので、今日も「原点回帰」で。
ある企業で、新入社員研修のある夜、「先輩との懇談会」を企画したことがありました。
合宿研修の先に「2年目」の先輩が10人くらい駆けつけてくださり、新入社員(入社してまだ3-4日のほやほや新入社員!)の質問に様々に答えていく、というイベントです。
新入社員7-8人に1-2人の2年次社員がついて、15分くらいずつで、テーブルをどんどん移っていく方法を取りました。
新入社員は、2年目の先輩に様々な質問を投げかけます。
「先輩は、どんな仕事をしていますか?」
「先輩は、この1年でどんな資格をとりましたか?」
「土日はどんな風に過ごしていますか?」
「新人時代、一番大変だったことは何ですか?」
「上司や先輩は優しいですか?怖いですか?」
「社外に出ることはありますか?」
など、もういろいろな角度からの問いかけに、2年次社員は答えていきます。
中には、
「血尿が出るほど仕事する、と聞いたことがありますが、血尿は出たことありますか?」
という質問もありました。(マジメに、です)
・・・・
回答している2年次社員は、それなりに堂々と自分の体験や考えを述べていきます。新入社員からすれば、1年上というだけで、「雲の上の存在」。
憧れのまなざしで見つめながら、真剣にノートを取ってました。
実は、回答していた2年次社員。1年前に新入社員研修で接した方たちでした。
ですから、私は、新入社員のソボクな疑問や熱心なQ&Aがスゴイなあ、と思うだけではなく、「ああ、1年経って、こんなに立派になったんだ」というほうに心を奪われました。
職場に戻れば、まだまだ「わからないこと」「できないこと」も多いはずの2年次社員。(だって、2年次になったのがほんの数日前なのですから)
不安もあれば、自信が持てない領域もたくさんあることでしょう。
だけれども、新入社員を前にして、仕事に関する質問を受け、それに答えるときの堂々っぷり、といったら。
1年前を思い出し、人事の方と共に、うるうるしてしまいました。
ああ、皆この1年間、ちゃんと頑張ってきたんだなぁ・・。と。
このイベント、新入社員に「1年上」の先輩の話を聞かせ、働くイメージ、1年後の自分のイメージを持ってもらおうと意図されているものではありますが、嬉しそうに胸を張って回答する2年次社員を見ているうちに、これは、きっと彼ら・彼女らの「原点回帰」に役立っているのではないか、と思えてきました。
自分の仕事、自分がこの1年間やってきたこと、苦労したこと、楽しかったこと、喜び、悲しみ。はたまた、血尿が出たかどうか、なんてことを相手に語ることで、「自分がそもそもなぜここに入って、何をしたくてここにい続けている」のかも思い出せたでしょうし、「今何をして、何を考え、これからどうしたいと思っているのか」も改めて整理できたのではないか、と。
「踊る大捜査線」の中で、青島刑事があのコートを捨ててしまい、しばらくしてから拾い上げるシーンがあります。このとき彼は、「コートを買ったときのこと」を思い出します。「警察官になろうと決意した時」の気持ちを。
これは、仕事の「原点回帰」を象徴するシーンだそうです。
後輩に自分の仕事を語る、というのは、青島刑事のコートを拾い上げる場面に重なるなあ、とあらたえて思いました。
自分がなぜここにいるのか、何をしたくてここにいるのか、をふと忘れそうになったら。
モチベーションが低迷しているかも、と思ったら。
誰か他者に「自分の仕事」を語ってみるのもいいかも知れません。
「原点回帰」・・・から思い出した出来事を書いてみました。
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