2010年11月19日金曜日

旧ブログ記事:新人時代の切なさを覚えていますか?(2010年11月19日掲載)

新入社員の時、「新人研修」の成績が、どん底だった私は、本当に自信がなくて、毎日、切なく、胸が締め付けられるような思いを抱えて会社に通っていました。

DEC時代に配属されたのは「教育」部門でした。教育部の新入社員は、なんとR&D配属予定の精鋭の、バリバリのエンジニア候補と共に2ヶ月強の研修を受けたのです。

先輩達もバリバリの精鋭で、バリバリ精鋭がバリバリエンジニア予備軍のR&D新人にレベルを合わせるわけですから、私のように、会社に入って初めて「コンピュータのコ」に触れたような人間が太刀打ちできるわけがありません。

不思議と「行きたくない」「もう辞めたい」とは思いませんでしたが、毎日、休みなく続く研修、どんどん難しくなるカリキュラム。これなら、ロシア語(習ったことがありません)の授業のほうがまだ楽かも、というほどに「ちんぷんかんぷん」でした。

先輩には、皆の前で1回か2回か「バカ!」と言われました。
別の先輩には、「田中さん、配属先がないけど、どうするつもりですか?」と詰め寄られました。

その都度、号泣し(涙腺が弱いもので)、涙を乾かして、また教室に戻り・・・。

ああ、25年経って思い出しても、その切なさは胸に来るものがあります。

それでも、様々な”訓練”の結果、インストラクタとしてデビューしました。初めて担当したのは、FORTRAN入門」という5日間の研修です。入社して半年、9月のデビューです。受講者の方は当然、私より年上で、5人くらいいらっしゃったような記憶があります。

新卒で最初の職種が「講師」、しかも、お客様からお金を頂戴する「講師」というのは、ずいぶん思い切った方法ですし、よく受講者の方も付き合ってくださったと思います。

インストラクタとして仕事をし始めた時、心に誓ったのは、「これだけ成績がどん底だった私が、人に何かを教える仕事に就くのだ。新人の時の”わからなさ”、”何がわからないかもわからない切なさ”だけは、絶対に忘れずにいよう」ということでした。

よく「新人時代のことは忘れた」という言葉を耳にしたりしますが、実は、案外、皆さん、覚えているのではないかと思ってます。

私は、今でも手に取るようにあの時の気持ちを思い出せます。

切なくて切なくて、情けなくて、この状況から抜け出せる日が来るのだろうか、と胸が苦しかった日々のことを。

多くの新入社員が今でも、そんな気持ちを抱えているかも知れません。

25年経ってひとつだけ言えるとしたら、「続けていたら、何かがわかる時がくる」ということです。

いつまでの新人時代と同じようなレベルで切ないはずはないから。

だから、切ない時は、その思いに押しつぶされることなく、おなかに力を入れて、ぐっとこらえ、それでも前を向いて歩いてほしいと願うばかりです。

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