2009年8月28日金曜日

旧ブログ記事:「這(は)えば立て立てば歩めの親心」(2009年8月28日掲載)

とあるOJT担当者研修を担当した時のこと。2003年の初夏でした。

その企業では、この年、人事部が主導し「OJT制度」が発足しました。OJT担当者に任命された大半が、2年次3年次の若手社員。いずれも「後輩の育成(成長サポート)は、ほぼ初めて」という方たちでした。

何かの話からか、「次々チャレンジさせるには」「ハードルはどこまで上げればいいのか」といった議論になりました。

私が、「這えば立て 立てば歩めの 親心、って言いますよね。あれもできたら、これも。これもできたら、次はあれ、と育てる側は、焦ってしまう部分もあると思います。」 とコメントしたら、クラス全体(50人くらい)が、きょとぉ~ん、という雰囲気に。

「あれ?這えば立て・・・って聞いたことないですか?」 と尋ねると、ほぼ全員が首を横に振りました。

そうか、知らないか。聞いたこと、ないか。
ま、それはいいとして。

後輩の成長支援をしていると、ついつい、「這えば立て、立てば歩めの 親心」的なジョブアサインをしたり、叱咤激励をしてしまうことがあります。

ストレッチ目標(=背伸び目標)、という言葉もあるくらいなので、「次はこれ、調整してみよっか」と目標を上げていくのが悪いわけではないでしょうが、行き過ぎると、伸びきったゴム、みたいになるのかも。

今の若手は、私たちが若手だったころと比べ、「すぐ結果を出せ」「早く成長しろ」と無言のプレッシャーが大きいはず。(世の中が「のんびり成長」を許してくれないような状況でもありますし)

でも、誰もが「ハジメちゃん」(*バカボンの弟、赤ちゃんなのに新聞を読む) にはなれない。

這えば立て、立てば歩め・・・ばかりでなく、這えば立て、立てばまた這え、行ったり来たりしているうちにぼちぼち歩んでみてもええんでないの? くらいの気持ちの余裕を持つことができたら、と思うのです。

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