2009年8月29日土曜日

旧ブログ記事:「どうしてそう思ったの?」(2009年8月29日掲載)

「リーダーシップ強化ワークショップ」と名づけた、アクションラーニング形式の研修プログラムがあります。1回研修を受けて、自分で立てた目標を実践しつつ、1ヵ月後に再集合。成果を報告し、共有したり、新しい課題の解決を議論したりする、というものです。

●実務の課題をテーブルに乗せて議論し、
●活動計画を立てて、
●それを実践し、
●成果を持ち、再集合、
という部分が通常の研修と異なります。

成果を持ち帰ってくる、再集合のクラスで伺う話は、とても興味深いものが多いのです。私たち、ファシリテータ側も勉強になることが沢山あります。

あるリーダーさん。

何でも指示命令していたけど、それだけじゃダメだなと思い、メンバの意見や考えを訊いてみよう、と決意した。

メンバが相談や報告にやってくる。 いつもは、「あ、それは、こうして、ああして」と話の途中でも指示していた。

だけれど、必ず、「どうしてそう思ったの?」と聴くようにした。

「どうしてそう思ったの?」などと訊かれることのなかったメンバは、そこで初めて考え、頭の中にあるものを言葉にしようと努力し始める。

答えが出てきたら、さらに「で、どうしてそう思ったの?」と尋ねる。

また、考える・・・。

それを繰り返している内に、メンバが「あ!わかりました。どうやればいいか。思いつきました」 などと、晴れやかな表情で席に戻っていくようになった。

自分は、何も教えていないのに・・。ただ、「どうしてそう思ったの?」と尋ねただけなのに。

そういうことが、1ヶ月の実践期間で何度もあった。
いままで、何でも細かく指示したり、”答え”を与えたりしていたけれど、メンバに考えさせてみたら、 たいていのことは、メンバ自身が答えを持っていて、それを思いつく力もあるんだとわかった。

・・・・
この話をしてくださったリーダーさんは、30代前半。まだ新任リーダーという立場でした。

何かをやってみることも大事だけれど、そこから何を捉え、何を気づくか、それをどう考え、どんな風に次に生かすか。自分のこととして捉えるアンテナの感度は大切なんだなー、と、色々な報告を聴きながら、私もまた多くを学ぶのでした。

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