2009年8月3日月曜日

旧ブログ記事:家族に怪しまれました。(2009年8月3日掲載)

2日以上ある研修であれば、宿題を出すようにしています。簡単な宿題です。

「今日学んだスキルを、今から明日この会場に来るまでの間、どなたかを相手に試してみてください」。

道具も要らない。ただ、意思さえあれば、できる。

最近、「コーチング」の研修で、初日に傾聴や共感などを学んだ後、その宿題を出しました。 2日目の朝、「試してみた方?」と手を挙げていただくと、なんと全員が反応してくださいました。

男性。

「家に直帰し、妻を相手に”傾聴”を試してみました。普段は、妻が台所で、ボクがリビングにいて新聞読みながらの会話が多いのですが、”ここに座って”と促し、向き合って話を聴きました」
「いかがでしたか?」
「不審がられました。”なんか気持ち悪い”と言われてしまいました」」
「それで?」
「仕方ないので、研修を受けていて、その宿題なんだ、と説明しました。そうしたら、普段通りでいいわよ、と言われました」

女性。

「私も夫に試しました。普段は、私が一方的にずーっとずーっとしゃべりまくるのですが、昨日は、”仕事の話をして”と促し、聴くモードに入りました。」
「会話は弾みましたか?」
「いいえ、同じように怪しまれました。”何?”と言われました」
「どうしたのですか?」
「事情を説明しました」
「なんとおっしゃってました?」
「ふーん、”その内容をもっと教えて”と言われたので、研修の説明をしました」
「それで?」
「”もっと聞かせて”と言われたのですが、彼、営業なんで、興味あったみたいなんだけど、もったいないので、ちょっとしか話しませんでした」
「なるほど(笑)」

・・・・

研修で外部に出かけると、普段できない「早く帰宅する」が可能になる人が多いのですね。 で、自然と、家族相手にスキルを試すことになる。

試してみると、普段と異なる様子に連れ合いが不審に思う。だけれども、やってみて、その結果をきちんと翌日紹介してくださる。

そういう姿勢は、とても素敵だと思います。

研修は、あくまでもきっかけです。2日とか3日の研修で、人生ががらっと変わることなんてないと思ってます。変わったら、なにやらアブナイですし。

ただ、その”きっかけ”を生かすかどうかで、研修効果はずいぶん変わってくるのだと思います。 

やってみなければ何も変わらない。やってみたって、変わらないかも知れないけれど、やらないよりは、やってみる。

成功とか失敗ではなく、トライすることが大切なんだと思うのです。

宿題を「やってみました!」という声を聴くと、とても嬉しい気持ちになります。

ちなみに、「連れ合い」相手に試すと、たいてい、いぶかしがられる、という結果になりますが、これが、「お子さん」相手だと反応はがらっと変わります。

多くの「子どもに試してみました」事例を総合すると、子どもの場合、「嬉しそうにいつもより沢山話す」とか「普段話さないことまで話してくれる」という反応になるようです。

オトナのほうが、変に知恵が回ってしまうのですね。

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