2009年8月6日木曜日

旧ブログ記事:医師の視覚資料は・・・(2009年8月6日掲載)

トレイン・ザ・トレーナー」という、大好きな研修コースがあります。社内向け講師、社外向け講師を養成するための4日間コースです。

私が最初にアメリカから持って帰ってきたものです。このコースには、たとえば、「マイクロソフト認定トレーナーになるために」とか「現場からかり出された新人研修時期専用の臨時講師なので」とか色々な立場、背景の方がいらっしゃいます。民間企業にお勤めの方です。たいていは。

10年くらい前だったか、明らかに雰囲気の異なる男性と女性が席に座っていらっしゃいました。具体的にどこがどう、とは言えないのですが、IT系でもなければ、民間企業にお勤めという雰囲気でもない。

聴けば、男性はお医者さん、女性は看護師さんでした。NPO活動で色々な国に出向いては、医療指導をして回る仕事をしているとのこと。たとえば、三角巾の作り方と使い方、とか、衛生指導、とか。あるいは、包帯の巻き方、とか。

それをキャラバン隊を組んで、町から町へ移動しつつ、地元の方に教えていく活動をなさっているんだそうです。

この研修は3日目に「視聴覚教材の作り方使い方」という章があります。今でしたら、パワーポイントも含めていますが、当時はOHPとか配布資料とかスライドとか8mmとかまあ、様々な視聴覚資料について、見やすい資料の作り方と受講者に役立つ使い方を扱いました。
冒頭で、「皆さんは、どのような視聴覚資料を使いますか?」とお尋ねします。

お医者さんと看護師さん、なんと答えたと思いますか?

しばらく考えてみてください・・・。5秒くらい。











先日、そういうクイズをある場で出したら、こんな答えが返ってきました。

「黒板ですか?」
「板きれ」
「あ、だったら地面?」

・・・全部、ブーです。

この時のお2人が使っているとおっしゃったのは、なんと 「」でした。

大きな白い布に油性ペンで、「三角巾の使い方」「衛生・・」などを図解入りで記載し、それを、木の枝と枝とに結びつけ、青空教室で指導するんだそうです。

「色々試したんですが、紙は破れるし、水に弱い。洗えない。板は重い。持ち運びにくい。布なら、丸めようがたたもうが、リュックに入れてどこへでも持っていけますし、川で洗うこともできる。枝とかどこかに止めちゃえばいいし。で、今は、布に落ち着いているんです。」

「必要は発明の母」と言いますが、この話、とーっても感動してしまいました。

ちなみに、なぜ、新宿で研修を受けられたのか、というと、「一時帰国休暇」があったので、日本に戻ってきたが、時間がもったいないので、その間、勉強しようと思って、インターネットで「講師養成」講座を調べた。グローバルナレッジという会社は知らなかったが、内容が要望と合っていたので、申し込みました。とのこと。

もちろん、自費での参加です。
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公開講座の良さは、このように、「多様性」のある参加者と一緒に学べることだと思います。
IT系講師の方が、こういう医療の教育場面を聞く、医療従事者がIT系講師の方の話を聞く。直接は関係なくても、何かを考えるきっかけが得られたり、自分のものの見方を広げたりすることには役立つはずです。

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