一方で、時々、「覇気がない・・ように見える」「反応が薄い」「話を聴いているか、いないのか」「わかっているんだか、わかっていないんだか」といった、苦言を耳にすることもなきにしもあらず。
ここで言っている「反応」とは、もちろん、話者、発信者側がこの目で確認できるもの。たとえば、「うなずく」とか「表情を変化させる」とか。
反応が薄いなあーと思っても、その日、文章で書いてもらう、たとえば、「受講日誌」「受講報告書」の類では、「へぇ、そんなに深い考察をしながら聞いていたのか」と驚く場合もあって、要は、「見た目」で反応がわかりづらいってことではないかと思うのである。(いや、日誌でも「ん?ちゃんと聴いていたのか?」と思うものに出会わないわけではないのだけれども。)
それで、ですね。
以前、このブログでも書いたのだが、「反応する」ことを最初に教えています!という話を聴いたことがある。
人事部の新入社員研修のご担当者として、新入社員研修の冒頭で、「うなずく」「返事する」など「反応する」ことを教え、練習させ、徹底させたそう。
そうしたら、その年の新入社員研修は、とてもやりやすかったという。
「例年だと、わかったかわからないかが見た目で判断できないので、不安になって、同じ説明を繰り返してしまうこともあったのだが、今年は、通じているかどうかが掴みやすくなった」といったお話をなさっていた。
そういえば、で思い出すのは、パフォーマンス学の第一人者というか、日本に持ち込まれた、日本大学教授の佐藤綾子さんの講演で(2002年ごろだったような)、以下のようなお話を伺った。
「最近の新入社員は、全体的に”非言語能力(※)欠損症”というような症状が増えています。つまり、反応が薄くて、非言語だけでは、状態が掴みづらいんです」
※ 非言語能力:ノンバーバル(Non-verbal)、相槌、うなずき、アイコンタクト、態度、表情、ジェスチャーなど
少子化などの影響で、子供のころから、自分が進んで反応をしなくても、周囲がやいのやいのと口出し、手出ししてくれるから、だんだん「反応力」が低下しちゃうんじゃないか、といったお話だったような記憶がある。
たしかに、たとえば、子供の数が3人いて、その3人で親の関心や歓心を集めねばならないと思ったら、笑ったり、反応したりする必要が生じて、自然に、非言語能力も磨かれるだろうが、一人っ子も多くなってくると、子供が反応する前に親が様々に察知してしまう、という面もあるのかも知れない。(さらにそういえば、2008年に担当した新入社員研修は、1クラスに19人いて大半が”一人っ子”だと言っていたっけ)
まあ、少子化だけの影響ではないだろうけれど。
もし、そういうことであるならば、誰が悪いという話をしてもしょーがないので、上司や先輩達が
「反応薄くて困るよねぇ」と嘆くのではなく、「反応すると他者は安心するよ」と教えてやることが大事なんじゃないかな、と思うのだ。
実際、今年、ある企業で、「はい」と返事させる!ということを徹底させている場面に遭遇した(2社)。
「こういう段取りで進めますが、よろしいですか?」
「はい」
「何か、わからないことはありますか?」
「大丈夫です!」
などと互いに声を掛け合うことで、講師の私も進めやすかったけれど、新入社員も作業が進めやすかったように感じた。
配属されて、反応が不十分だと思ったら、「わかりやすく反応する」ことは大事!相手・自分双方のために必須!、と、配属先の先輩もしつこく伝えるとよい、と思う。
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