新入社員でも2-3年目の若手でもよいですが、とにかく、先輩がついて指導する仕組みを最近は、「OJT制度」と言います。放っておいても人は育たないので、「1対1」できちんと担当者をアサインして運用します。
期間は、1年だったり3年だったり、企業によってまちまちです。
部門によって「育てる」「育てない」の温度差があるのはよくない、人事や人材開発部門で音頭を取って、ちゃんと仕組みとして回そう!というのが最近の傾向です。
こういう制度を導入する初年度というのは、とにかく嵐になります。台風なみの嵐が到来します。
●「なんで、こんなメンドクサイことをしなきゃいけないんだ。俺は忙しい」
●「私が新人だったころ、こういう制度はなかった。甘いんじゃないか」
●「私は誰からも育ててもらった覚えはない。仕事は盗むもんだ」
などなど。
「OJT担当者研修」(1-2日)で出向いた先で、人事部や人材開発部への文句、陳情を、外部講師であるある私も受ける羽目に。
この制度導入時初年度の「大荒れ」は、多かれ少なかれ、どの企業でもあります。
ある年、200人超の新入社員を採用した企業で、200人超のOJT担当者をアサインし、OJT制度が発足しました。そこでもちょっとお手伝いした私を待っていたのは、上記のような「ネガティブな」コメント。
半年後、「OJTがうまくいっているか」「困っているころは全員で検討」「うまくいっていることは知恵の共有」という主旨の「フォローアップ研修」を行った時。
会場に入ってくる方たちの顔が、・・・・違う。
半年前の200人と同じ受講者なのに、全員、顔つきが、違う!!!
「晴れ晴れとしている」というのが一番的確な表現ではないかと思うほどの、いい表情。
研修が始まってこんな会話がどんどん飛び出てきました。
●「最初は、なんでこんなメンドクサイことをしなきゃいけないんだ、と思ったけど、後輩指導は案外楽しい」
●「自分の知識や技術、あるいは、仕事の仕方を根本から見直すきっかけになった」
●「上司も俺にずいぶん我慢して、お目こぼししてくれたんだなあ、と今ごろ気づいた」
●「こいつのために、頑張ろう!と新人のころのやる気を思い出した」
●「なんだかんだ言って、後輩がかわいい」
・・・
半年前、とても険悪なムードだった方たちが、口々にこうおっしゃる。
そう、人を育てるというのは、その人を育てるだけではなくて、相手を鏡のようにして、「自分育て」になるのですね。
誰かに何かを教える、伝える際、自分の中では、深く「内省」が始まります。
他者を介して行う「内省」は、自分の学びを深めることに大きく寄与します。
だから、今年、初めて「後輩指導」を任命された方も、楽しんでその仕事に従事していただきたいなあ、と思うのです。自分のためにきっとなります。
そう、人を育てるというのは、その人を育てるだけではなくて、相手を鏡のようにして、「自分育て」になるのですね。
誰かに何かを教える、伝える際、自分の中では、深く「内省」が始まります。
他者を介して行う「内省」は、自分の学びを深めることに大きく寄与します。
だから、今年、初めて「後輩指導」を任命された方も、楽しんでその仕事に従事していただきたいなあ、と思うのです。自分のためにきっとなります。
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