私より10歳くらい若い彼女は、Baby誕生と同時に「おばバカ」になった。
最初に思いついたことと言えば、「お年玉上げなくちゃ!」で、鳩居堂(きゅうきょどう)にポチ袋を買いに行ったそうだ。 まだ生後1週間の甥っ子に、鳩居堂のポチ袋。
「なぜ、年末の忙しい時期に、鳩居堂まで?銀行の粗品かなにかでポチ袋くらい家にありそうだけど」と尋ねると、「物事、最初が肝心かと思って、格式とか」と。
わかるようなわからないような。
わが母、この話がえらく気に入ったらしい。
先日、久々に我が甥っ子の顔を母と共に見に行った。
3センチ角くらいの小さなポケットがついているBaby服を着ていた(まだ身長は60センチに満たない)ので、私が、「ポケットがついているのねぇ。何を入れて歩くの?定期入れ?」などと、まだ「うぅー」「あぅー」しか言わない甥っ子に語りかけていたら、脇から、「鳩居堂を入れるためよねぇ、○○ちゃん」 と甥っ子に向って言っている。
なぬ?
洗濯ものをたたむのを手伝っていると、別のBaby服にも腕や胸にポケットが。
母は、「ここにも鳩居堂が入るねぇ」「これも鳩居堂が入れられるね」「こっちはちっちゃい鳩居堂しか入らないねぇ」といちいち言っている。
最後に「○○ちゃん、ボクのお洋服には鳩居堂が入るポケットが沢山あるから、おばちゃんよろしくネ、って言っておきなさい」とまで言っていた。
この会話、何かに似ている。
何かに・・・。
あ、そうだ。
「おばあさまのお耳はどうして大きいの?」
「お前の声がよく聞こえるようにだよ」
「おばあさまのおめめはどうして大きいの?」
「お前の顔がよく見えるようにだよ」
「おばあさまのお口はどうして大きいの?」
「お前を食べられるようにだよ」
・・・・・・
「ベビー服なのにどうしてポッケがついているの?」
「おばちゃんからもらった鳩居堂を入れるためだよ」
似ている。似ている。似ている。
それにしても、耳が大きい段階で気づかないのか?赤ずきんちゃん。
おばちゃんはBaby服のポケットのこと、気づいても言及しないことにしました。