2009年10月8日木曜日

旧ブログ記事:「日経コンピュータフォーラム2009秋」報告:田中ウルヴェ京さん・菊入みゆきさん・河合薫さん(2009年10月8日掲載)

昨日は、「日経コンピュータフォーラム2009秋」”こころトラック”を聴講しました。

3人の講師がそれぞれ90分ずつ。「こころトラック」のタイトルは、

「あなたと組織の「こころ」を鍛える  閉塞状況を打破! 人間力向上セミナー
~明日からできる「ストレス耐性」「士気」「組織力」を高めるためのポイント~」

でした。


【田中ウルヴェ京(みやこ)さん】

シンクロ選手から「ストレスに対するコーピング」の専門家になった方です。

コープ(Cope)=対応する、ということです。ストレスのコーピングとは、「ストレスに立ち向かう」「対処する」といった意味。

印象に残ったことを箇条書きで。

●ストレスに弱い(というか、コーピングが機能しづらい)人は、「間違った自己認識を変えない人」、
「悲劇のヒロインになりたがる人」、「他者との比較で自分を捉える癖がついている人」など4パタンあるそう。

●「感情日記」を書いてみましょう(毎日)
1.今日は何を感じたか
2.なぜ、そう感じたか

これを繰り返していると
1.自分がどういう状況でどう感じるかに気づく
2.特徴がわかってくる
3.自分のやる気に歯止めをかけているものは何かを知る

●どんなストレスも「自分の捉え方」次第でよくも悪くもなる。

出来事は変えられないが、出来事をどう捉えられるかは変えられる。これがコーピング。
→論理療法とか認知行動療法がベースにあるのですね。

●「がけっぷち」の時は、とにかく「ニコニコして」「姿勢を正して」みましょう!
背中丸めて、深刻な顔をするとどんどん悪い状況になるから、胸を張って、ニコニコして「参ったなあ、どうしようかなあ」と考える。こういうことが実は凄く大切なんです! 

→ なるほど、それは言えてる気がする。

【菊入みゆきさん】

先日、「PMシンポジウム2009」でもご一緒した菊入さんが、2人目の登壇者。

8-9月にJTBモチベーションズで「金融・IT・製薬の3業種の課長619人」に調査。「やる気が上がった時キーワード」「やる気が下がった時のキーワード」を分析したそうです。

業界ごとに特徴が出た、という話がとても面白かったので、紹介します。

IT業界:
やる気上がった時のキーワード:「顧客」
やる気下がった時のキーワード:「プロジェクト」

→ つまり、「顧客」との関係でやる気が上がる方向に刺激され、「プロジェクト」にまつわる困難でやる気が下がるということです。

金融:
上がった:「目標、達成」
下がった:「上司」

製薬:
上がった:「業績」
下がった:「会社」

業界によって、マネージャの「やる気」刺激要因がこんなに違うのですね。

会場からは質問が多く挙がりました。

「部下のやる気を上司として上げねばならぬ、という場合は?」に対して、「キーワードは”自律性”。自分で決めた、自分で考えた・・・が大切」という回答。

深く納得です。

【河合薫さん】

CA→気象予報士(ニュースステーションにお出になっていましたね)→健康社会学者 というキャリアをお持ちの方です。

「他人力」についての講演でした。

自分を支えてくれる「他人」の力をうまく活用できることが大事。それが、自分が元気になれるモトにもなる。

他人とどうつながればよいかがわからなくなりつつある現代ではあるけれど、人の力を借りるのは、非ではなく、是である。

●人と人とのつながりを作るために3つの無駄を見直してみよう!というお話も。

1.無駄な時間・・・雑談する時間、真剣に仕事をしているわけではないけれど、互いを知り合うための時間
2.無駄な話・・・雑談、対話・・・から知識が広がったり、互いを理解し合えたりする
3.無駄な空間・・・社員食堂だとか給湯室、喫煙所などで関係構築ができていることも多い

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「日経コンピュータ」には2007年1月から今年2009年3月まで連載していた関係で、知り合いが大勢います。会場では編集、販売などの懐かしい面々に久々にお会いすることができました。

セミナー前にご好意で「講師控え室」に入れていただき、田中ウルヴェ京さん、菊入さんと歓談の機会も得ました。(河合さんは、講演直前に到着されたので講演後に名刺交換するだけになりました。)

京さんは、明るく元気な方で、初対面なのに私はすぐすっと会話に馴染めてしまいました。

「ウルヴェ・・・ですからね。ウルヴェ。正しく紹介されたことがないんです。ウォルブとかウェルベとか、プロのアナウンサーでも間違えるんです。この間は、田中ウェルヴェ京子さんでーす、と言われて、”田中”しか合ってない、って思いました」 なんて話を面白おかしくなさってました。(雰囲気作りがお上手なんです)

年間の講演が200本だそうです。

本数がちょっと多くて大変なんだけれど、多くこなせば、成功も失敗も多くの体験が積めるので、自分のためにちゃんとなっていると思う、と仰っていました。

京さんの本、以前以下を読みました。よかったので、ぜひ。(新著も沢山出ています)

●田中ウルヴェ京 著 『ストレスに負けない技術・コーピングで仕事も人生もうまくいく!』日本実業出版社

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