彼女の高校・大学時代の話です。
「大学受験を目前にした時、交通事故に会いました。もう、浪人覚悟だなあ、と思ったのですが、いいお医者さんに出会い、その先生が『受験生だよね。手術する方が直りはいいけど、入院は長引くから、手術しない方法で、最大の効果が出て、最短で勉強に戻れる方法で治療しようと思うけど、どうかな?』と提案してくれました。
本来なら何時間も待たないといけない外来でも、私は常に一番に見てくれて、先生がそこまで考えてくれるなら、一旦諦めたけれど、猛勉強しようと思い、頑張りました。
でも結果的には第一志望は落ちてしまって、浪人も考えたけど、第二志望に入学しました。
大学に入ったら、やはり、第一志望が気になって、本腰入れて学生生活が送れないんです。浪人したほうがいいかなあ、と思って悶々としてました。
そんな時、サークルの先輩にそのことを話したら、『私も第一志望じゃないので、しばらく仮面浪人をしていたんだけど、この大学もよく見たら、とてもいいところが沢山あったから、今ではここに入ってよかったと思っているんだよ。あなたも、この大学のよいところにも目を向けてみたらどうかな?』と言われました。
それでだんだんと気持ちが変わっていって、前向きになりました。
さらに、受験の時の交通事故のことを思い出し、ハンディキャップがあると大変なことが多いと実感していたので、その後、ボランティア活動なども始めることになりました。」
彼女は、大切な節目節目で誰かに出会って、言葉を掛けられているんですよね。
その言葉をちゃんと受け止めて、自分で再度考え、次の行動に移っている。そして、すべて最初の働きかけは彼女からなのです。
整形外科で、「先生、私、受験生なんです。なんとか受験したいんです」と訴えたのでしょうし、
大学でも悶々として悩み続けるのではなく、先輩にちらっと気持ちを打ち明けてみたわけです。
自分が小さな一歩を前に出した時、誰かに言葉をかけられて、その言葉によって、さらに先へぐぐっと歩みを進める勇気と力を得られるのかも知れません。
「グリコの遊び」じゃないけれど、状況を変えようと思った時、「はじめのいーっぽ」は、自分が踏み出すべきものなんですね、きっと。
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