2010年2月10日水曜日

旧ブログ記事:声を荒げたらおしまい(2010年2月10日掲載)

「リーダーシップ研修」でこんな話が出ました。

昔気質のマネージャの中には、「怒鳴る」「バカヤロウと言う」といったタイプがまだまだ生息している。(※昔気質:現役世代で言うと40代後半以降。私など世代的にはどんぴしゃです)

たとえば、部下がちょっとしたミスをする。
上司の席で、立たされたまま、「バカヤロウ!」「何やってんだ、お前」などと怒鳴る。

たとえば、会議中、部下が何か意見を言う。
上司は、「俺が決めた通りにしろ!」と一言で打ち切る。

まあ、なんと言いましょう。今だったらパワハラ!というカテゴリーに分類される行為が今でも行われているケースがあるようです。

叱ることはいいことだ、叱ることができない上司も増えてきているから。

だけれど、叱る時に怒鳴ったり、汚い言葉を使ったりすると、部下は「叱られた内容」ではなく、「叱られ方」のほうに完全に関心が言ってしまい、「何もあんな言い方をしなくても」「あのやり方はひどい」と、「叱る方法」にばかり文句を言うようになる。

「ボクの上司がこのタイプで、部下は”言い方”に反応しちゃうんですよね」とお一人がしみじみおっしゃってました。「結局、中身に目が向かない。耳をふさいでしまうから」と。

上司が折角いいことと言っても、正しいことを訴えても、部下は「内容」(What)には全く目が向かず、
「そりゃ私も悪かったかも知れないけど、ああいう言い方されるとむっとする」などと「方法」(How)の評価だけに集中してしまう。

・・・・・・・・・・

これって、部下のためにならないだけではなく、上司のためにもなっていないような気がします。

怒鳴ってその瞬間、すっきりするかも知れないけれど、恐怖を呼び起こす言葉や行為は、その言葉を発している人の魂も汚してしまうし。

たぶん。 どんなにいいことを言っても言われた側は心が傷つくだけで、全く反省しなければ、改善もしないかも知れない。結局、言い方が間違っていたら効果がないんですねぇ。

「バカヤロー、と言って何が悪い?」と言われたことがありますが、やはり、部下は「ヤロー(野郎)」ではないし、普通に冷静に言ったほうがよっぽど効き目があると思うのです。

怒鳴ってはいけません。汚い言葉で罵倒してもいけません。

冷静に言われれば、言い方といった「How」へ関心は行かず、「What(叱られている内容)」に部下も100%向き合えるはずです。

「部下もか弱くなったもんだのぉ」と言う方もいらっしゃるかも知れませんけれど、昔の部下だって「バカヤロー」なんて言われたら、やはりそれなりに傷ついていたと思います。(その傷は癒えていない可能性も高いんじゃないでしょうか)

*** 追記(2011年5月26日) ***

この会話、よく覚えています。

受講者の方が「自社の上司なんだけど」とぽそぽそ紹介してくださった例。

パワハラなどという言葉も浸透している中で、こういう「昔ながら?」の上司が生息しているのだなあ、と驚きました。

なんでもパワハラ、というのもいただけないけれど、怒鳴って改善することって、やはりないような気がします。

久々に読んで、やはり、「言い方」って大事だと改めて思いましたです。


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