2010年2月17日水曜日

旧ブログ記事:「国語辞典」の話(2010年2月17日掲載)

昨日(2010年2月16日)の日経新聞夕刊に掲載されたインタビューのきっかけになった「国語辞典を研修で使ったケース」については、わくわくコラム(35回)を見ていただくことにして、「国語辞典」の話。

最近、新入社員研修の打ち合わせで、人事の方に「国語辞典を持参するよう入社前にアナウンスしていただけますか?」と話すようにしています。

すると、「あ、それいいアイディアですね」と賛同してくださると共に、「そういえば、最近、デスクに辞書を置いている人って少ないですねぇ」としみじみおっしゃいます。

自分で「辞書を引く」という行為によってもたらされるメリットは「わくわくコラム」にもあるとおり、

●正しい漢字を調べて書くようになる(適当に書かない、ひらがなでごまかさない)
●言葉選びに工夫が生じる
●語彙が多少増える

などが挙げられます。

周囲の先輩たちにとっては

●書類の査読が楽になる

という利点があります。

「上司や先輩は、スペルチェッカーじゃない」というフレーズが、15年くらい前に受講したアメリカでのコミュニケーションスキル研修のテキストに書いてありました。

その通りです。(しかし、これ、アメリカ人でも、誤字脱字の多い書類を上司に回しているってことでしょう。ミシシッピとかシンシナッティって書ける?という会話がクラスで飛び交っていたなぁ、そういえば)

やはり、何か書く際はまず自分で精度を高めた状態まで持っていってから提出しなければ、と思います。

私は、入社以来、机の上には以下3冊を置いています。

●国語辞典
●英和辞典
●和英辞典

隣の席の男性は、以前もこのブログで紹介したように「広辞苑第6版」を置いています。(定額給付金で購入!)

気になる言葉があったら、ネットで調べる場合もないわけではないですが、なんといっても、やはり辞書。

電子辞書が流行していて、新入社員に辞書を持ってくるように言うと、すでにほぼ100%が電子辞書を持ってきます。

たしかに「文字を調べる」「意味を調べる」ならこれでいいのでしょうが、頭使うか、というとはなはだ疑問です。

東野圭吾さんの「さいえんす」というエッセイだったと思うのですが、「紙の辞書で文字を調べることは、言葉やスペルを短期記憶に置いて、アルファベットや五十音の順番を頭で考えながら目的地にたどり着かないといけないから、頭の訓練になるのだ」といったことが書いてありました。

ホント、そうですよねぇ。省エネするのもいいけれど、時間や手間をかけることで自分の脳が刺激されて、賢くなれる部分もあるとは思うのです。(なんでも近道ばかりを選んでいては、身につくものも身につきませんよねぇ。)

皆さんは、辞書を机の上に置いていますか?

*** 追記(2010年5月26日) ***

この投稿から1年、すでに電子辞書は本当に当たり前になりましたね。若手は紙の辞書をすばやく引くことができるのだろうか?


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