2010年2月22日月曜日

旧ブログ記事:敬語の指針:「相互尊重」と「自己表現」(2010年2月22日掲載)

平成19年2月2日 文化審議会答申「敬語の指針」という資料を読んでいます。

大変ためになります。いや、ものすごく勉強になります。

現在、敬語は、「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3分類ではなく、5分類になっていることはご存知でしょうか?

●尊敬語
●謙譲語Ⅰ
●謙譲語Ⅱ (丁重語)
●丁寧語
●美化語

です。

それぞれの具体的な解説、どんな点に気をつければよいか、など、詳細に記載されています。日常見聞きする「敬語」に関する疑問についての回答(と解説)もあります。

中でも、敬語表現を「相互尊重」と「自己表現」の2つを大切にしていく姿勢を貫いていることがあちこちに書かれ、納得感があります。

「気持ちよく生活するためにお互いに尊重しあう」とは、「上下」の関係が常に意識されつつも、それでもなお、互いに尊重することまで指しています。つまり、「上」の立場の人間が「下」の立場の人間にも配慮することも必要なのです。

なるほど、です。「部下」が「上司」に敬語を使うだけでなく、「上司」も「部下」に配慮した表現をすることが大事ということですね。

敬語を使うのは「自己表現」の一つ。これは、「いつでもこうあるべき」と固定的に考えるのではなく、もっと緩やかに言葉について取り組んだ方がよい、ということのようです。とはいえ、誤った表現や敬語の過不足は避けることを心掛けることも大切ともあります。

あと、もうひとつ。そうだ、そうだなあ、と思ったこと。

「敬語」というのは、それを使うことで、相手に対する敬意を表現できるのだが、それだけではなく、それを使う(使わない)ことで、相手のことを自分が捉えているかまで表現することになることは忘れてはいけない、ってなことが書いてあります。

つまり、仮に私が「山田さんがそうおっしゃっていました」と述べた場合、山田さんを立てた表現になっているだけではなく、「私」が「山田さん」を「立てるべき存在」と認識していることまでをも表現する、という意味です。

言われてみれば当たり前なのですが、激しく首肯したのでした。

新年度の前に、ひとつ先輩になる、その前に、一度目を通してみても悪くないと思います。(↓)

【敬語の指針】
http://www.bunka.go.jp/bunkashingikai/soukai/pdf/keigo_tousin.pdf


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