2009年5月21日木曜日

旧ブログ記事:「わからないのにわかったと言ってしまった」(2009年5月21日掲載)

ある企業の「新入社員フォローアップ研修」でこんな反省の弁を聞きました。

「先輩の威圧感に負けて”わからない”のに”わかった”と言い続けてしまった。もっと素直に”わからない”といえばよかった」

「先輩は威圧的だったのですか?」と尋ねると、「そういうわけでもないのですが、なんとなくそう思ってしまう」とのこと。

たとえば、

1.「わかった?」と尋ねられる時の顔つきから、「わからない」とは言わせないぞ、という気迫?を感じてしまう

2.その時は、確かに「わかった」と思う。が、しばらくすると、わかっていなかったことに気づく。だけれど、同じ先輩に二度聞きに行くのはためらわれる(忙しいのに邪魔しちゃ悪いと思う、自分の理解が悪いのに再び時間を割かせるのは申し訳ないと思うなど)

といったことがあるようです。

かくして、新入社員の「放浪」が始まります。

A先輩に聞く。教えていただく。「わかった?」と聞かれ、「はい、わかりました」と答える。ところが、わからないことにしばらく経ってから気づく。同じ先輩には聞きづらい。

B先輩に同じことを聞く。教えていただく。「わかった?」と聞かれ、こんどこそ、「はい、わかりました」と答える。ところが、わからないことにしばらく経ってから気づく。同じ先輩にはやはり聞きづらい。

C先輩に同じことを聞く。教えていただく。「わかった?」と聞かれ、今度の今度こそは、「はい、わかりました」と答える。しかし、まだわかっていなかったことがあった・・・。どうしよう?(途方にくれる)

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しばらくして、先輩たちが気づく。「あいつ、さっきからいろんな人のところに質問に行っているな」と。

「わかった?」と尋ねるだけでなく、「わかった?」の後で、「じゃあ、簡単に説明してみて」と促すのもひとつの方法です。

それから、「2回でも3回でも聴きにきていいよ。最初は誰だってわからないことがあるんだし。」と言っておくのもいい。

ただし、「手ぶら」で来たら、「ノートとペンを持ってきなさい」と毅然と伝えるのもまた必要です。

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