2009年11月25日水曜日

旧ブログ記事:見知らぬアメリカ人たちが・・・(2009年11月25日掲載)

「コーチング」の研修で、「あなたが勇気づけられた体験を話してください」という演習があります。

そこで聴いたエピソード。

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「アメリカで野球の試合を見ていた時のことです。

客席に飛び込んできたファールボールが、近くにいたアメリカ人のおでこに当たり、さらに私の方に飛んできました。

思わずキャッチして、「やった、ラッキー!ボクのもんだ」とポケットに入れてしばらくすると、最初にボールをおでこに受けたアメリカ人が救護室に運ばれていったんです。

しばらくしたらその人はまた客席にちゃんと戻ってはきたのですが、ただ「ラッキー」と思っている自分もよくないな、と気がとがめてきて、その「ボールがあたったアメリカ人」のところに行って、「はい、このボールはあなたのですよ」と渡しました。

そしたら、今度は周囲で何人かが話し合いを始めて、その内数人がスタッフを呼んで、何か言っているんです。 で、スタッフから投球練習に使うボールを1個もらってきてくれて、

「これ、キミの分だ」と渡してくれました。

自分は人がおでこに当てたボールを一瞬でも自分のものだともらおうとして、まあ、返しはしたけど、
それを見ていた、全然関係ない、他人同士のアメリカ人たちがボクのために話し合って、スタッフにかけあってくれて、あらためてボールをもらってきてくれたんです。

自分は、関係ない他人のためにこんな風に何かをしてあげたことってないなあ、と思いました。

この出来事から、赤の他人はともかく、身近な人にもう少し何かをしてあげるということも必要じゃないかと意識するようになりました。 」

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いい話です。

ボールを返した彼も。代わりのボールをもらいに行ってくれた赤の他人のアメリカ人も。
そのことを思い出としてずっと覚えていることも。 それを仕事場で生かそうと思うことも。

そして、ちょっとだけかっこ悪いかも知れない思い出を研修の場で、また他人に話す勇気も。

講師をしていると、こういう、身近な「とてもいい話」「すてきな思い出」を聴くチャンスが多く、それらエピソードから学ぶことも沢山あります。

ところで、この話を聴いたその日から読み始めたのがグーゼンにも以下の本でした。
●エドガー・H・シャイン『人を助けるとはどういうことか』英治出版

シャイン氏の弟子でもある金井壽宏さんが監訳をなさっています。

英語タイトルは、”HELPING - How to Offer,Give,and Receive Help” とあります。

支援するだけでなく、支援をどう受け取るかもテーマなのですね。(まだ読み途中なので、現時点では詳細不明ですが)

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