日本人の言語力(読む、聞く、話す、書く)が低下しているので、なんとかしなくては、という話。
事例としてこんな例が紹介されていた。
●子供が言いたいことをきちんと伝えられない。
「宿題」
「宿題がどうしたの」
「終わった」
「宿題、終わったのね」
子供は思いついた単語を口にする。親がそれを補って解釈してやる。
文章で話す訓練を受けていないからだ、ケイタイ電話は思いついたままを書けばよいから、文脈とかつながりも関係ないし、ケイタイ世代はきちんと文章で話すのが苦手だ、という解説付き。
しかし、私はこれに「うーん」とうなった。
もう10年以上も前から、いや、15年前だって新入社員は単語でしゃべていた。
「あのぉ、テキスト」
「テキストがどうしました?」
「家においてきて」
「忘れたということですか。それで?」
「ありますか?」
「何が?」
「予備とか」
なんて会話は、新入社員研修をしていると、珍しくもなんともない。ケイタイ世代の特徴ともいえないような気がする。
もしかすると、私(86年入社)だって、単語の羅列だったかも知れない。大人とまともにしゃべったことがない新入社員だったら誰でもそうなるんじゃないだろうか。
以前このブログで書いたけれど、年長者だって単語でしゃべる。
もうひとつは街頭インタビュー。説明できない事例を拾うもの。
「日本のよいところを説明してください」というボードを掲げて、道行く人をつかまえ、答えてもらう。
60歳くらいの男性が、「ええ、難しいなあ。この中から選べ、と選択肢があればいけど、説明は難しいなあ」と腰が引けている。
若い男性は、「これ、これ、これ、って要素を挙げるのはいいけど、文章で説明するのは無理無理」
なんて答えている。(この辺のセリフは正確ではありません。記憶からつむいでいるので)
しかし、ですねぇ。
これも、ちょっと「ん?」と思う。
「日本のよいところ」をすぐ説明できない、って、言語力の問題なのだろうか?
私もすぐには説明できない。
言語力が不足しているから、というよりは、単に「日本のよいところ」を普段真剣に考えたことがないからだと思う。
抽象的過ぎる設問だから、「選択肢なら答えられる」と男性は言ったのではないかと思う。(それに、街中でマイクを向けられ、大きなTVカメラを向けられ、それでも堂々と「説明」できる人は、相当カメラ慣れしている、特殊な人だろう)
・・・と番組に突っ込むのはこの辺にして、
一つだけ、この練習はいいなあ、と思うものがあった。
プロサッカー選手の研修。
ペアになって向かい合う。
「貴方は、●●について賛成ですか?反対ですか?」と質問する。
それに対して、まず、 「賛成です」または「反対です」と即答しなければならない。
さらに、「それはなぜですか?」と問われる。 「なぜならば」で理由を解説しなければならない。
番組では、
「反対です」
「なぜですか?」
「なぜ・・・・えぇーーっ、理由かあ、難しいなあ」
と、うなっている選手が映っていた。
●答えをまず言う。
●次にその理由を述べる。
というのは、すぐ使える訓練方法だ。
これに追加するなら、
●「理由は3つあります」と先に3つと宣言してしまうのはどうだろう?
3つの理由を並べないといけない。
頭脳をフル回転させて、並列できる3つを考える。
そんな風に思考の訓練をすることは有意義だろう。
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