2009年9月16日水曜日

旧ブログ記事:上司には言いなり!?(2009年9月16日掲載)

もう何年前か思い出せないほど前の出来事です。

ある企業で「ネゴシエーション」の研修を30代後半以上向けに実施したことがあります。

会場には40人か50人か、かなりの数の3-50代が集まってこられて(ほぼ全員が男性です)、後ろのほうから席が埋まります。(セミナーや研修で、後ろに座るのってもったいないといつも思います。私は自分が参加者の場合、前のほうに陣取るので、後ろから埋まるのはとてもフシギな気がします。講師もよく見えないし、スクリーンやホワイトボードも見づらいし。ま、それはおいといて)

冒頭で「これまでどのような交渉をしてきたか?」を思い出して書くワークがありました。「誰とどんな交渉をしたか、その結果は?」を棚卸するものです。

何人かの方が全く動きません。 近づいて声を掛けると、こう仰るのです。

「内勤で、社内としか会話しないし、交渉なんかしたことない」
「失礼ですが、お仕事を始めて20年以上経っていますか?」
「30年近いけど、交渉なんか全然ないよ」
「社外の方ではなくてもいいです。上司と交渉したなんてことはないですか?」
「上司と交渉なんかするわけないでしょ。上司には、いつも言いなりだから。なぁ」

と周囲の方に同意を求めました。

うーん、困った。

「これからグループワークに移るので、ちょっとお待ちください」と言い、4-5人で「棚卸した結果」を共有していただきました。

件の男性と同じチームの30代の方がこう言いました。
「東京出張があった時、少し勤務時間をずらしてもらうと都合がよかったので、上司に交渉しました。うちはフレックスじゃないので、ローカルルールになっちゃうんだけど、上司が、『その日はそのほうがよさそうだ』と承認してくれて、出張も、勤務も、色々八方丸く収まったことがあります」

それを聞いていた最初の男性。

「上司の言いなりにずっとなっていたと思っていたけど、休暇を取るとか、仕事のやり方でうまく都合をつける場面でも”交渉”ってあるんだ、頭固すぎたなあ」

と反省の弁を述べたのでした。

「言いなりだもんなー、交渉なんか全然してないよ」と怒ったように言われた時は、どうしよう?と焦ったのですが、この方だって、まだまだ頭柔らかいな、と思ったものです。

人の意見を聞いて、反省する、なんて、頭が固すぎたらできないことなので。

だから、「参ったなあ」「扱いにくい方かも」などとすぐにレッテルを貼ってはいけないなあ、と思い直しました。

ちょっと怖そうに、怒った口調で何か言われると、結構、いや、かなり、ビビるのです。

でも、ちゃんとお話ししたら、理解し合える部分もありますよね。

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