2010年3月18日木曜日

旧ブログ記事:聴き手の反応(2010年3月18日掲載)

講演などで大勢を前に話す時、話者である私は、できるだけ早く「うなずく」方を見つけるようにします。

しかも、できれば、「笑顔でうなずく」方を。

よく観察すると、100人とか200人が入った会場でも、あちこちに「笑顔でうなずく」方はいらっしゃるので、そういう方の位置を頭で把握して、アイコンタクトの”拠点”とします。

もちろん、全員を見渡すのですが、その際、心の支えにするのが、この”拠点”とした「笑顔でうなずく」方です。

話をする際、上手に話す、わかりやすく話す、面白く話す、などは、話者の責任です。できる限りの努力をするのは話者に課せられた義務ですが、その力を最大限に発揮できるかどうかは、「聴き手」の聴き方によるものでもあります。

聴衆の反応がよい時は、話者も安心するし、乗ってくるので、より上手に話せるようになります。

でも、反応が芳しくない場合、たとえば、腕を組んで椅子に浅く腰掛け、ずり落ちそうになって、下を向いて瞑想しているような感じ、だったり、全く微動だにせず、睨んでいるようにしか見えない表情を見かけたりした場合は、心臓がきゅん(?)となって、上手に話せなくなることもあります。

「あなたの話が下手だからそういう態度になっちゃうんだよ」という場合もあるでしょうが、中には、無意識に「怖い」態度をとっている方もいるような気がします。(怖い顔で聞いていることに自覚がないケースがあるのです)

コミュニケーションは、「双方向」なので、聴き手の態度が話し手の力を引き出す面も大きく、力を引き出すような態度で聞けば、話者からより多くの情報を受け取ることもできるはずです。

さて、身近な場面で考えてみると、大勢が集まる会議(どちらかというと、管理職から情報の通知をすることが目的のようなもの)で、皆さんは、どこから座りますか?

1番後ろの席から座っていきますか?

もちろん、職位などで座席が指定される場合もあるので一概には言えませんが、前から席が埋まると、管理職としては、モチベーションが上がります。ちゃんとしっかり伝えようとより前向きな気持ちにもなれます。

後ろだけ埋まり、話し手と聴き手の間に誰も座っていない椅子が沢山並ぶと、「あ~あ」とテンションが下がるのです。

聴き手は、話し手からよりよい情報を引き出すためにも、「うなずく」などの態度=話を促進する態度をとることは重要なんですね。

相手のためだけではなく、自分がよい情報を受け取るためにも意味があることなのです。

ところで、昨日から担当しているある一社研修では、「笑顔でうなずく」方が多く、「今日は皆さんが笑顔でうなずいてくださるので、とても話しやすい」と思わずフィードバックしたところ、「普段から笑顔でいることを意識してます」と受講者からお返事がありました。

ステキですねー。そういう心がけ。真似しなくては。

*** 追記(2011年5月28日) ***

やはり、講演でも研修でも、できるだけ前に座ったほうがいいと思うなーと。今、大学の授業ではかならず2列目に座ります。(目の前には誰も座っていないので、1番前みたいなものです)


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