2010年3月5日金曜日

旧ブログ記事:製薬業界でのコミュニケーション(2010年3月5日掲載)

当社はDECの教育部が母体なので、「IT業界・IT職種を対象とした人財育成企業」と思われていますが、こと、ヒューマンスキル分野に限っては、ノンITの業界・職種の方への仕事も数多く手がけております。

そんな中でも、製薬企業でのお仕事もいくつか体験しました。

数年前のことですが、MR職を対象としたコミュニケーション・スキル(特に”アクティブ・リスニング”=よく聴くスキルを中心に)の研修を提供した時のことです。

MRの中には、シニアの方もなりたての方も混ざっていましたが、一様に課題だとおっしゃったのは、

●自分よりも当然知識・スキルの高い(ついでに、プライドも高い)医師との関係構築やコミュニケーションの難しさ

でした。

そこで、以下のような項目を演習を交えて体験したり、宿題を出して1ヶ月くらい、決めたことを実践していただいたりしました。

●アイスブレークをしてみる
●礼状を出してみる
●共感してみる

など。

1ヵ月後フォローアップ研修で再会した際、「実践例」をうかがうと、なかなか面白い話がありました。

たとえば、

●外来の片隅で医師の診療が終わるまで待機していた。その際、いつもなら見ない壁のポスターなどを隅々まで読んだ。目新しいポスター(どうも手作り風)が目に入った。医師の診療が終わり、医局に移動する際、後ろからついて歩いたのだが、「あのポスターは」と話しかけると、「え、あれ、気づいてくれたの?あれ、僕が作ったんだよ。患者さんとのコミュニケーションのために」と相好を崩して反応してくださった。そこから、いつになく会話が弾んだ。
→ 壁に貼ってあるものでもちゃんと見ておくことは大切だなあ、と思った。

●普段、とても気難しい医師がいて、学会(か何かのイベント)でお世話になったので、いつもはメールで礼を述べるところ、田中さんが薦めてくれたように「礼状」(葉書)を出してみた。すると、普段は何も反応を示さない医師がすぐにメールをくださって、「あの時はお世話になりました。葉書ありがとう」と言ってくださった。
→葉書の威力は絶大だ、と思った。

●大学病院の廊下で教授を待っている間、目の前の「○×検査室」という、見慣れない名前が気になった。教授が来られた際に、「先生、この○×検査室とは?」と質問すると、「興味ある?実はね・・」と中を見せてくださった。その教授の肝いりで導入した、日本でもまだ数台の機械がある部屋だった。予定外に見学させていただいたその検査室の機械に関する共同研究の話が後日持ち上がり、今は、それも進めているところだ。
→1番目の例と似ていますが、人間、自分に関心を示してくれる相手には、心を開くものだな、と学んだ。また、どこにビジネスチャンスがあるかわからない、と気づいた。

・・・と、こんな風にいろいろな例をお聞きし、その場にいた後輩MRたちも先輩の事例を聞き、「自分にもできそうだ」と思うことから取り入れることにしました。

業界・職種それぞれの苦労、特色があり、私たちも多くを学ぶことができました。

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