2010年3月19日金曜日

旧ブログ記事:迎え入れる側が凛としているか?(2010年3月19日掲載)

こ5年くらいです。

●「新入社員研修中に新入社員が欠席するので、対応が大変」
●「新入社員研修の途中で、体調不良が出てくるので、救護室が不可欠」
●「休んだ人の、補講などにも手当てしないと」

といった話を聴くようになったのは。

ある企業では、100人の新入社員が3ヶ月の新入社員研修の間、一人として「全日出席(つまり、出社)」した人がいなかった、という事態に陥ったということでした。

しかも、理由が大病でもなく、「なんとなくだるかったから」「風邪ぎみっぽかったので、大事をとって」といった程度のものが大半らしいのです。

これを聴き、

●「最近の若いもの」は弱くなった
●「最近の新入社員」はプロ意識がない

などと言うのは簡単ですが、いろいろな事例を見聞きしていくうちに、それだけだろうかと思うようになりました。

こういう例を聞いたことがあります。

●ある年、新入社員研修開始時に「具合が悪くなった時のために、救護室が用意してあるので、無理しないように」と伝えた。すると、その年は、もう、学校の保健室のように列が出来るほどに救護室に駆け込む人が絶えず、ベッドが冷める暇がなかった。
●ところが、翌年、開始時に、救護室のことを言わずにいたら、その年は誰も倒れなかった。

違いは、「救護室があるから、無理せずに」と言うか言わないか、です。

また、別の例です。

●ある時、入社式後のオリエンテーションで、「研修中、体調が悪くなったら、無理しないで早めに言うこと。休む必要があれば、連絡すること」と伝えたところ、ほぼ全員が1回は休んでしまった。配属時に上司が驚いたのは、すでに「休暇取得1日」「同 2日」という状態だったこと。
●ところが、翌年、開始時に、「この研修は、皆さんが仕事の力をつけるために、会社が期待を込めて企画し、開催しているものです。ウン千万の投資もしています。なので、皆さんには、全部参加し、吸収し、力にする義務があります。だから、まずは、体調管理を精一杯してください」と告げた。その年は、誰も休まなかった。

・・・ いずれも、本当にあった出来事です。

このことから見えてくることとは、「主催者側」「迎え入れる側」が「凛」としていることの重要性です。

また、「ダメやら休んでいい」ではなく、「ダメにならないように、休まなくていいように、体調管理をせよ」とびしっと伝えることも大切です。

そして何よりも大事なことは、研修とは何のために行っているのか、意図や目的をきちんとしっかりと伝えておくことです。

人事部、人財開発部、社内外講師、その他、多くの先輩達が「凛」としている様子を見せれば、新入社員だって、それを察して、自らも「凛」とするのではないかと思います。

配属されてから、「どうして、根性がないんだろう」「どうして、すぐ休むんだろう」と悩む前に、「休んでもよい」と思わせる土壌を最初の1-2ヶ月で作ってしまっていないかと見直す必要があるような気がします。(もちろん、本当に発熱しているなどは別ですが)

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