2010年3月20日土曜日

旧ブログ記事:朝イチメール:ウラ?話(2010年3月20日掲載)

2010年3月17日(水)配信の「日経BP 朝イチメール」で、このブログの名前を紹介したら、何十人かの方が訪問してくださったようで、ありがとうございました。

折角なので、朝イチメールがどうやってできているか、というのを執筆者の視点から紹介します。
(日経BPさん側から見て、ではなく)

一応、契約上、配信日の2週間前までに原稿を納めることになっています。たとえば、3月17日配信であれば、3月3日までに原稿を納めるわけです。

私は原稿をWORDで書いており、ファイルをメールで送信します。

この朝イチメールが09年7月に開始されてから12月くらいまでは、「初校チェック」というのがありました。日経BP社の編集者兼プロデューサーのM氏が私の原稿を見直し、てにをは、あるいは、多少の言い回しの修正と文書整形(配信の状態に改行などを入れる)をして、一旦私に戻してくださいます。

私がチェックし、「OK」または「さらにここを直したい」と修正を加え、これで校了。

あとは、配信を待つばかり。
(「毎週、水曜日は朝早く起きているんですか?」「大変ですね。毎週間違えずに送るなんて」と、私がえっちらおっちら配信作業をしていると思っている方が少なくとも3人はいらっしゃったのですが、あれは、当然、自動送信してます。それも、私が自宅から・・・ではなく、日経BP社側でです。夜中に「小人さん」が送っている、という想像もまた楽しいけれど。)

今年1月からは、「原稿を納める」→日経BPさん側で多少の手直し→配信、となりました。つまり「著者校」がなくなったのです。

これは、何を意味するか?

よく解釈すれば、私の原稿への信頼が高まったので、一回で原稿が通る、とも言えます、が、なんとしてでも細かい点まで自分で再三チェックして入稿しないといけない、と言うことでもあります。

(雑誌連載の場合は1回か2回の校正のやり取りがあるので、編集者が大胆に編集した後を著者校で再度手直ししたり、編集者から入った「これ変じゃない?」とか「ここ、根拠は?」といった突っ込みに丁寧に答えながら修正したりすることも可能です。)

朝イチメールの場合は、「一発勝負」になっています。実際には、配信されたのを見ると、たまに「てにをは」やほんの少しの文章の直しが入っていることがありますが、ほぼ原型通りです。

これが緊張するのなんの。だいたい、自分の文章は自分で書いているので、おかしなところに何度読んでも気づかない場合もあります。なので、1日寝かしたり2日寝かしたりして、何日もかけて書いています。(それでも稀に誤字が残ることがあります。これはお詫びします。一応アーカイブでは修正していただいています。)

なんせ週刊なので、いつも3週分くらいのストックを持っており、8割完成、5割くらいまでできている、書きかけの1-2割程度といったバージョンを同時進行しています。納品するまでに改訂回数は25-30くらいです。

「ぱつぱつパンツ」なんてことを書いている回でも30回くらいは直しています。(え?パンツで30回?と思う方もいらっしゃるかも知れませんが・・・。一応、そうなんですよ。)

最後の最後で、「この文章で終わっていいだろうか」の決断がつかないので、しめ方を何度も見直すことが多いでしょうか?あとは出だしですね。出だしも何度も直します。

この連載を引き受けて、もっとも苦労したのは、「文体」と「内容」です。

日経BP社との何度かの打ち合わせで、「お勉強講座風ではないもの」「軽い感じの文体で、でも、”ああ、そうか”とか”なるほど”とか”へぇ”が入っているもの」、「週中の水曜日なので、気楽に朝をはじめ、楽しい気分で出社できるもの」といったコンセプトが固まりました。

が、なんせ、その前にIT系の雑誌連載を8年近く担当しており、朝イチメールの直前は、「日経コンピュータ」という、中でももっともマジメと思われる雑誌のコラムを書いていたので、どうしてもこんな文体に慣れていて・・・。

●マネージャは、○○するのも役目のひとつだ。
●部下がこういう風に思うこともあるので、配慮しなければならない。
●・・・ということも取り組んで見て欲しい。

・・・・・

これを「携帯メール」の軽い(読みやすい)文章にしていくのはなかなか大変な作業でした。(なので、今読むと、朝イチメール開始直後は、まだ固いですね。)

最近はだいぶ慣れてきたので、肩の力を抜いて(気を抜いて、ではなく)書けるようになりました。プロデューサー氏には、「淳子さんはもう”日経コンピュータ”などカタイ雑誌には戻れませんよ。うふふ」と言われてます。・・・そうかも。

なお、このブログでは、時々「朝イチメール」連動キャンペーン?を独自にしており、たとえば、過去に「誕生日」(1/20号)、「鍋の蓋事件」(1/27)などの日は、証拠写真をこのブログに貼りました。写真と共に再度お楽しみくださいませ。

あ、あと、

感想を送れるようになっていますが、サンプルを見て「あれほど長文で書かないといけないならダメだ」と躊躇した、という声もお聞きしました。

「おはようー。今朝も読んだよぉ~」
「私の場合は、こうです」
「同じようなケースでこんなこともあったよ」
「●●ネタで次回は書いてくれぇ~」

といった一行感想でも一行リクエストでも大丈夫なので、通勤電車で田中に突っ込みたい方は、ぜひ感想もお寄せください。感想は田中にちゃんと届いています。(プロデューサー氏が取りまとめて送ってくださるので、多少のタイムラグがありますが)

*** 追記(2011年5月29日) ***

この頃はまだTwitterを始めていなかったので、「朝イチメール」の感想は、携帯から日経BP社へメールで送っていただき、その感想メールを集約したものが、Mプロデューサーから私へ送られてくるというものでした。

このタイムラグと、直接の相互作用のなさが、「携帯」というツールを使っているにも関わらず、何かふがいないような。

この頃から少しずつ「Twitter始めようかな」と思い始めたような気がします。

5月10日にTwitterを初めて350日くらい。今日、2万ツイートを超えました。

顔が見えなかった「感想メール」を送ってくださった何人かの読者さんとは、リアルにお会いでき、東京・名古屋・関西で交流もできているという、この幸せ♪

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